日本小児看護学会誌
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歯科を利用する身体障害のある子どもの口腔ケアにおける母親の工夫
村井 裕子
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2012 年 21 巻 1 号 p. 17-23

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抄録
研究目的は、歯科を利用する身体障害のある子どもの母親が口腔ケアを実施する際の工夫を明らかにし、看護への示唆を得ることである。身体障害のある子どもの母親10名を対象とし、子どもの口腔ケアにおける母親の工夫について半構成的面接を行い、質的帰納的に分析した。見出されたカテゴリーは【きれいに磨く方法を覚える】【楽しい雰囲気をつくる】【磨くタイミングをつかむ】【呼吸の安定をはかる】【子どもの思いを汲み取る】【家族の生活に合わせる】であった。歯科を利用する障害のある子どもの母親は、子どものサインを読み取り身体・精神状況に応じて継続的にケアすることで子どもに合わせた独自の工夫を見出していた。母親への口腔ケア支援として、家族全体の状況を把握したうえで、日常的な視点で実施可能な工夫を一緒に考えることや、歯科専門職と連携すること、ケアの困難感の変化を把握し継続してかかわる必要性が示唆された。
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© 2012 一般社団法人 日本小児看護学会
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