日本小児看護学会誌
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乳幼児の小児一次救命処置に対する保育士の認識と現状
山田 恵子
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2012 年 21 巻 1 号 p. 56-62

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抄録

本研究は、乳幼児の小児一次救命処置に対する保育士のスキルの自信について明らかにすることを目的とした。対象者は保育士262名(回収率41.3%,有効回答率99.6%)であった。研究方法は質問紙法による量的記述的研究であり、小児一次救命処置の自信15項目について5段階のリッカート尺度を用いた。因子分析の結果「具体的対処法」「観察・確認」「AED使用方法」「連絡・要請」「心肺蘇生(CPR)」の5因子が導き出された。結果、尺度および因子ごとの平均が全体的に低く、保育士たちは小児一次救命処置について認識はあるが自信が持てていないと考えられた。その背景には、子どもの特徴を踏まえたPBLS教育やAEDの設置が不十分であるなど、質および量の両面での支援が必要であり、母子支援など共通のポイントを持ち乳幼児の特徴を踏まえたキメの細かい指導が可能な看護師による教育的支援が保育士の自信を高めるために有効ではないかと考えられた。

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© 2012 一般社団法人 日本小児看護学会
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