2013 年 22 巻 1 号 p. 88-94
本報告の目的は、幼児期後期と学童前期の子ども2名の骨髄移植前に実施した、練習や見学といった"実際に体験してみる"ことを取り入れたプレパレーションの内容について報告し、このプレパレーションが効果をもたらした点と、改善を要する点を明らかにすることである。練習や見学は「感染予防」「口腔内冷却」「無菌室での生活」「内服」「全身放射線照射」の5項目に取り入れた。その結果、<感染予防行動は身に着くまでの時間を考慮し、早めから練習を行う><無菌室やリニアック室など初めての場所は事前に見学し、楽しみとなるようなきっかけを作る><体調が優れないときの服薬方法を子どもと一緒に試飲会で検討しておく>の4点が効果をもたらしたと考えられ、<骨髄移植前だけでなく、骨髄移植終了後のプレパレーションも事前に検討する>が今後改善を要する点として挙げられた。