抄録
本研究の目的は、乳幼児の転落事故における看護師と看護学生が認識するリスクファクターの違いを明らかにすることである。乳幼児が入院する医療機関に勤務する看護師205人と看護師養成機関で最終学年に在籍する看護学生447人を対象に、郵送による自記式質問紙を用いて調査を実施した。その結果、看護師群の方が患者要因におけるリスクファクターについて【患者の年齢】【患者の性別】【患者の環境の変化】【患者の薬剤の使用状況】の4項目を、環境要因におけるリスクファクターについて【不適切な施設物品】【ベッド上の環境不整備】【ベッド周囲の環境不整備】の3項目を学生群より、リスクとして高く認識していた。また、看護師要因におけるリスクファクターについて、統計学的に差は見られなかったが、学生群は看護師群より【健康管理の欠如】について、高く認識している傾向であった。