抄録
小児専門病院で勤務する保育士の入院中の子どもへの遊びに関する認識を明らかにすることを目的とし、小児専門病院の保育士7名を研究対象者とした。インタビュー内容は(1)保育士の遊びの効果についての認識、(2)遊びの場面で工夫していること、(3)保育士の属性等である。その結果、保育士が認識している遊びの効果は、【遊びによってより良い環境をもたらす】【遊びが子どもの病気の回復に影響する】であった。保育士の遊びの工夫は【年齢に合わせた遊びをする】【疾病による身体の治療状況に合わせる】【子どものニーズに合わせる】【日常生活に近づける】などであった。また、保育士は子どもの治療への恐怖や不安に対し心の準備をするという役割も認識していた。今後はさらに、病棟保育士が医療ケアチームの一員として、医師や看護師と連携・協働して遊びを提供することで、入院している子ども達の心理的な安定や治療効果を実証的に検証していく必要がある。