日本小児看護学会誌
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小児がんの子どもがターミナル期に病気の予後や死の不安・恐怖を「語り」始めた瞬間(とき)からの看護師の関わりのプロセス
杉山 智江佐鹿 孝子
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2014 年 23 巻 2 号 p. 1-9

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抄録
小児がんの子どもがターミナル期に、病気の予後や死の不安・恐怖について「語り」始めた瞬間(とき)からの看護師の関わりのプロセスを明らかにすることを目的とした。臨床経験3年目以上の看護師10名に半構造的面接を行った。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに準じて分析した結果、8カテゴリーと24概念が抽出された。看護師は【病気・治療の見通しへの不安に応える】ことで【予後が悪いという子どもの思いを察知】しており【いつでも話を聞く姿勢】や【話し始めを待つ姿勢】で【子どもの今に合わせる】関わりをしていた。その結果、子どもの【最期の話を受けとめる】や【命の危うさへの思いに応じる】ことで【命の危うさへの一時的な安心を察知】していた。【命の危うさへの一時的な安心を察知】すると再び【いつでも話を聞く姿勢】や【話し始めを待つ姿勢】のプロセスを辿っていた。看護師が【子どもの今に合わせる】ことで"命の危うさ"や"最期の話"を「語り」始めることがあるので、その瞬間(とき)の関わりが重要であることが示唆された。
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© 2014 一般社団法人 日本小児看護学会
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