抄録
学生がアデノイド・扁桃摘出術の手術目的で入院した患児を継続して受け持ち、実際にプレパレーションに取り組むまでのプロセスにおいて認識や行動の変化につながった教員の関わりによる学生の学びを取りだした。その学生の学びから、学生の学びの特徴を明らかにし、小児看護実習指導における示唆を得ることを目的に本研究に取り組んだ。実習指導場面の19場面を対象に、質的記述的に分析した。その結果、(1)学生が手術前後の具体的変化を、細胞レベルや器官レベルで根拠をもって理解できる、(2)学生が子どもの術後の痛みや状態を追体験できる、(3)学生が子どもに行われる看護(食事、感染予防、内服)の目的や根拠がわかる、(4)学生が子どもは家族の中で育まれていることや、子どもを取り巻く生活環境をいきいきと描けることの重要性が明らかとなった。教員は、学生の学びが深まるようにこれらを意識して、実習指導を行う役割があることが示唆された。