日本小児看護学会誌
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24 巻, 2 号
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  • 中野 綾美
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. A1-
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
  • 吉田 美幸
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 1-9
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    点滴・採血時に揺らぎやすい幼児後期の子どもの自己調整機能は看護師の支援の影響を受けるが、その支援の内実は明らかにされていない。本研究の目的は、幼児後期の子どもが点滴・採血を受ける際に自己調整機能を発揮するための看護師の関わりについて、看護師自身の認識を明らかにすることである。看護師13名に半構成的面接を行い、質的記述的研究方法により分析した結果、看護師は、子どもへの【"間"のある処置機会の提供】【支持的な足場の提供】を基盤にした【子どもの見通しへの支え】【子どもの自発的行動への支え】【子どもの頑張りの軌跡への共感的支え】の5カテゴリーを自己調整機能発揮への関わりと捉えていた。子どもの自発性を支え自信や誇りを高めるために、看護師は子どもに見通しと期待を示しつつ、気持ちを折り込もうと揺れる子どもへの"間"のある関わりと彼らの頑張りへの共感・具現化する関わりを持つ重要性とこれらの意図的な実施の必要性が示唆された。
  • 西田 千夏
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 10-17
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    親が子どもを洞察することは、子どもと親自身の精神的安定に関与する。本研究は、親子関係に悩みが多いとされる発達支援を受けている子どもの親が、子どもを洞察するプロセスを明らかにする。さらに、親の内省機能がプロセスに及ぼす影響について検討する。研究方法は、5名の親への半構成的面接後、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)で分析を行った。その結果6つのカテゴリーと19の概念が抽出された。【子どもの行動の意味理解】を親の立場から捉えたとしても、【自己の感情や考えに向き合う】内省を経ることによって、洞察ができていた。【障害受容への道程】【将来の見通しに対する気持ちと行動】は、親の内省機能の促進に関与していた。内省が洞察に至る間には【被養育体験との向き合い】や【支えられている体験の自覚】による影響があった。本研究では、子どもの特徴の理解、および感情を表現できる支援者の存在の重要性も示唆された。
  • 遠藤 晋作, 堀田 法子
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 18-25
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    学童期後半の先天性心疾患をもつ子どもに対する母親からの病気説明の実施状況と、その影響要因を母子双方の視点から明らかにすることを目的に、先天性心疾患をもつ10〜12歳の子どもとその母親に無記名自記式の質問紙調査を行い、92組(回収率82.5%、有効回答率92.9%)の回答を分析した。結果、病気説明に関する項目について、母親は全項目で希望より子どもへ話せておらず、子どもは今後の見通しや合併症の項目で、希望より母親から聞けていなかった。また多重ロジスティック回帰分析より、母親が子どもへ病気説明をしたと思うことに対する影響要因は、同疾患児の家族との交流、母親の病状に対する理解度、夫婦間不一致、子どもの運動制限が示され、子どもが母親から病気説明を聞いたと思うことに対する影響要因は、同疾患児の家族との交流、母親からの心理的侵入、被受容感、厳しいしつけが示された。母子の希望の確認や仲介、母親への情報提供、母子関係への配慮が、子どもへ適切な病気説明を行うための有効な支援となる。
  • 吉田 玲子
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 26-34
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、急性呼吸器疾患で入院中の幼児前期の子どもに装着しているパルスオキシメーターを外す判断を、看護師がどのように行っていくのかを明らかにすることを目的とした。研究デザインは質的研究とし、病棟看護師8名、急性呼吸器疾患で入院している幼児前期の子どもとその家族5組、外来看護師2名、小児科医師4名を研究参加者とし、参加観察、インタビュー、診療記録より得たデータから、特徴的な5事例を分析した。看護師は急性呼吸器疾患で入院中にパルスオキシメーターを装着している幼児が示す酸素飽和度の「振り幅」の下限が上昇し、幅が狭まり、正常値を保てるまで縦断的に看ていた。同時に、子どもの活動性とは必ずしも釣り合わない呼吸する力を見極めながら、視たり聴いたりした幼児の呼吸状態と様子を擦り合せていた。常に数値がなくても看護師が幼児を看ることができる「お墨付き」を得られると、パルスオキシメーターを外すに至っていた。
  • 山地 亜希, 桑田 弘美
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 35-43
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は小児がん患児の家族が医療者から受けた退院支援で得た退院への認識と、退院後に行う在宅ケアマネジメントの実際を明らかにすることを目的とした質的帰納的研究である。治療終了後、退院して約1か月〜1年前後の幼児期・学童期の患児の家族9名を対象に半構成的面接を行い、その逐語録をデータとした。分析の結果、4コアカテゴリーを抽出した。小児がんの子どもを持つ家族は、入院中に自然に知識・技術を身に付けたと感じており、退院後の生活について特段に身構える必要はないと認識し【気負いがない退院】をしていた。しかし実際に在宅生活を開始してみると<判断基準が曖昧なままの退院>であったと認識し、【元通りの生活を目指すと想像以上のジレンマが出現】していた。退院後、家族は【葛藤を繰り返しながら児の健康を保持】しているのと同時に、様々な【地域における在宅支援を受容】しながら、在宅ケアをマネジメントしていることが明らかとなった。
  • 本田 直子, 杉本 陽子, 村端 真由美
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 44-50
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、NICUに入院した早産児をもつ母親がわが子を抱いている時の思いについて明らかにし、抱くことの意味を母親の主観から検討することである。対象は早産児をもつ母親で、わが子を抱いている時の思いについて半構造化面接を行い、母親の思いの部分を抽出し、得られた内容をKJ法で分析した。その結果、わが子を抱いている母親の思いは【生きている存在であることの実感から子どもの生きる力の強さや生命力を感じた】【出産から今がつながり、わが子として存在をより近くで実感した】【身体の小さいことや未熟さから、保育器外の環境にいることや成長に心配や不安を持った】【子どもとのつながりが感じられ、母親として自分の存在を自覚した】【子どもを愛おしく思い、子どもと過ごす時間が大切だと感じた】【抱っこは成長の証と感じて前向きな気持ちになった】であった。早産児を持つ母親はわが子を抱いている時に五感で子どもを感じ取ることで相互作用が生じ、母親としての始まりを実感していた。早産児の身体の小ささや呼吸の荒さ、ぬくもりや重みなど子どもが意図して発していないものもサインとして受け取られていた。同時に、抱くことができるという状況から子どもの成長を感じ、今までもてなかった安堵感や前向きな気持ちを感じていた。
  • 森 浩美, 小口 初枝, 岡田 洋子
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 51-57
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、小児看護学実習に協力した子どもの思いを依頼されたときからの時間経過に沿って明らかにし、学生のあり方について検討することである。子ども9名に半構成化面接を行い、質的帰納的に分析した。その結果、子どもは学生の受け持ち患者を依頼され、【同意するときの曖昧な納得と学生への要望】をもっていた。そして、期間中は【学生から受けた期待外れな言動・看護】を感じつつ、【受け持ち患者になって得られたよい結果】も実感でき、【学生に対する好評価】をしていた。そのため、実習を【終了して思う次回への期待と同意】する意向を示していた。以上の結果から、子どもは実習についてよく〔分からない〕まま同意することもあるため、視覚教材などを用いた分かりやすい説明が必要となる。そして、治療・検査中は励ましたり、遊びや教育の場を支援したりして、子どもにとって有意義な体験にすることが学生の役割と考えられた。
  • 白木 裕子, 松澤 明美, 津田 茂子
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 58-64
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、小児看護学実習に導入した倫理カンファレンスの効果について、学生の主観的評価から明らかにすることである。小児看護学実習を履修したA大学看護学部3年次生98人を対象に質問紙調査を実施した(有効回答率76.5%)。8割以上の学生が、カンファレンスシートを活用して倫理課題を分析すること、倫理カンファレンスで意見を述べることができており、病棟での倫理カンファレンスは有効であると評価していた。また看護倫理の「学び」には、カンファレンスシートを活用した倫理課題の分析や、カンファレンスにおける発言が関連していた。カンファレンスにおける事例発表の有無と看護倫理の学びには関連は見られず、メンバーの体験を共有しながら、看護倫理について学べていることが明らかとなった。カンファレンスシートを用いた課題分析についての学生の理解を深めるための支援、学生が意見を述べやすいカンファレンスの環境づくりへの支援の重要性が示唆された。
  • 甲斐 鈴恵, 花野 典子
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 65-71
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    学生がアデノイド・扁桃摘出術の手術目的で入院した患児を継続して受け持ち、実際にプレパレーションに取り組むまでのプロセスにおいて認識や行動の変化につながった教員の関わりによる学生の学びを取りだした。その学生の学びから、学生の学びの特徴を明らかにし、小児看護実習指導における示唆を得ることを目的に本研究に取り組んだ。実習指導場面の19場面を対象に、質的記述的に分析した。その結果、(1)学生が手術前後の具体的変化を、細胞レベルや器官レベルで根拠をもって理解できる、(2)学生が子どもの術後の痛みや状態を追体験できる、(3)学生が子どもに行われる看護(食事、感染予防、内服)の目的や根拠がわかる、(4)学生が子どもは家族の中で育まれていることや、子どもを取り巻く生活環境をいきいきと描けることの重要性が明らかとなった。教員は、学生の学びが深まるようにこれらを意識して、実習指導を行う役割があることが示唆された。
  • 藤原 紀世子
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 72-78
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、入院中の小児慢性疾患をもつ子どものきょうだいに対して熟練看護師が実践しているきょうだい支援について明らかにすることである。研究デザインは質的帰納的研究方法で、対象は看護師長から推薦を受けた小児看護の臨床経験年数が6年以上ある看護師である。分析の結果、【きょうだい面会を実現するための病院体制の整備】【きょうだいが直接会って同胞を状態ごと受け入れられるための支援】【きょうだいの思いや置かれている状況に関する情報収集】【きょうだい支援につながる母親への支援】【家族がそろって過ごせる時間と場の提供】【きょうだいが自分自身の可能性を発揮するための経験や機会の提供】の6カテゴリーが抽出された。きょうだい支援において、病棟にきょうだい面会ができる環境づくりと看護師の支援体制を確立する必要性、家族が寄り添う力を発揮でき楽しく過ごせる場所を確保し支援する必要性、きょうだいが自ら意思決定できる場所を確保し支援する必要性が示唆された。
  • 田久保 由美子
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 79-87
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、学童期の肥満児を対象とした家族を含めた介入の現状と、看護職の役割について文献検討により明らかにし、今後の課題を得ることを目的とした。医学中央雑誌Web版、JDream III、CiNii、PubMed、CINAHLの文献検索データベースを用いて2002〜2013年の家族を含めた学童期の肥満介入の内容と評価について書かれた47論文を対象として、介入の内容や評価、介入職種等について分析した。介入の内容は、国内外共に健康的な食生活と運動や座り時間を減らすことを推奨し、行動療法を用いることが多く行われていた。しかし、国外ではRCTによる研究が半数を占めていたが、国内は1件であり、親自身への積極的な介入や国外では主流なグループセッションが用いられていることは少なかった。また、看護職が介入実施者に含まれているものは少なく、看護職の役割も明確ではなかった。今後小児肥満領域における看護職の専門性を明らかにし、多職種に向けて発信していくことの必要性が示唆された。
  • 坂田 徳生
    原稿種別: 本文
    2015 年 24 巻 2 号 p. 88-93
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、途上国での小児用ワクチンの普及と接種率向上のため、途上国の人々が小児用ワクチンに対し、どのような意識を持っているか調査することを目的とした。カンボジアX市で小児期WHO推奨ワクチン10種類に関する意識調査を行った。対象は、5歳未満の子どもを持つ、一般の保護者と小児医療に従事する職員で、方法は、質問紙および聞き取り調査を行った。その結果、ワクチンではBCG・ポリオ・DPT・麻疹・B型肝炎の認知度は高く、Hib・風疹・小児用肺炎球菌・ロタウイルス・HPVの認知度は低くかった。A病院職員と一般の保護者の間ではDPT・風疹・Hib・小児用肺炎球菌・ロタウイルス・HPVで有意差を認めた。接種率はBCG・B型肝炎・ポリオ・DPT・麻疹ワクチンが高く、風疹・小児用肺炎球菌・ロタウイルスは低く有料だった。接種率向上には疾患やワクチンの正しい知識を得、必要性を認識する必要があり、識字率が低い地域ではキャンペーンも有効で文字以外での啓蒙活動が必要と考えられた。
  • 原稿種別: 付録等
    2015 年 24 巻 2 号 p. App4-
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
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