抄録
本研究は、2歳未満の子どもの採血に付き添う体験をした母親が、付き添った体験から、どのような思いを抱いているのかを明らかにすることを目的とした。2歳未満の母親16名を対象に、半構成的面接を実施し、M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いて分析した結果、10カテゴリーと28の概念が抽出された。採血に付き添いたいと思う母親には、【過去の経験から分離への不安】がある母親と、【当然子どもと一緒にいることが母親の安心】と思う母親がいた。【一緒にいて子どもに安心を与えたい】【子どもの反応を受け止める母親の決心】を抱く母親は、子どもの行動を予測し判断していた。一方、【子どもの体験がわからないことへの不安】【子どもの反応を見る母親のつらさ】を感じていた母親は、子どもの行動からの情報をネガティブに受け取る傾向にある。以上のことから採血に付き添う母親の不安軽減を図り、安定した状態で子どもに関われるような支援の必要性が示唆された。