日本小児看護学会誌
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医療的ケアが必要な在宅療養児を育てる母親が体験した困りごとへの対応の構造
大久保 明子北村 千章山田 真衣郷 更織高橋 祥子
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2016 年 25 巻 1 号 p. 8-14

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抄録
本研究の目的は、医療的ケアが必要な在宅療養児の療育に関して、母親が体験した困りごとへの対応の構造を明らかにすることである。医療的ケアが必要な子どもを在宅で育てている母親6名を対象に半構成的面接を行い、質的帰納的に分析した。【医療的ケアやわが子独自の体調管理の難しさ】の困りごとに対しては、【専門病院との連携】【急変時の受診体制の調整】【わが子の状態に応じたケア方法の獲得】という"体調管理に必要な環境を整える"対応をしていた。また、【医療的ケアが必要なことによる支援体制の不足】の困りごとに対しては、【わが子の施設受け入れの促進】【ケアを継続していくためのケア担当の調整】【通園・通学のための調整】という"医療・福祉・教育支援の空白を埋める"対応をしていた。母親への支援として、子どもの体調管理に関する継続的なサポート、退院後の子どもの成長や生活状況の変化に応じた支援内容の相談に関わることの必要性が示唆された。
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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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