日本小児看護学会誌
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医療的ケアを必要とする子どもの親の体験 : 親であることや自分自身を感じること
上原 章江奈良間 美保
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2016 年 25 巻 1 号 p. 43-50

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抄録
本研究の目的は、家庭で医療的ケアを必要とする子どもの親が、親であることや自分自身を感じる体験を明らかにすることである。5名の親に半構成的面接を実施し質的帰納的分析を行った。その結果【子どもはわかっていて思っていることがあるから、なんでも感じとりたい】、【子どもの成長やいい状態を感じるが、こんなのでいいのかとも思う】、【子どもがいいと私もいい、子どもが辛いと私も辛い】、【今まで感じていたことの、意味が変わったり広がったりする】、【本当にいろんなことがあった】、【理解して助けてくれるつながりがある】、【自分たちの思いとは違う人や場がある】、【家族一人一人を感じながら、みんな一緒に過ごす】、【私は私だから、今の生活の中で自分のいいように考えて過ごす】などの13カテゴリーが抽出された。親は、医療的ケアを必要とする子どもとの絆をとおして、親自らを主体とした感覚をもっており、親の体験や感覚をありのままに支える必要性が示唆された。
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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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