日本小児看護学会誌
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研究報告
小児医療施設におけるオレムセルフケア不足理論の看護過程への活用状況
櫻井 育穂勝本 祥子添田 啓子西脇 由枝田村 佳士枝望月 浩江松本 宗賢株﨑 雅子近藤 美和子久保 良子黒田 京子
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2016 年 25 巻 3 号 p. 17-23

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抄録

 本研究は、オレム理論の認知度、1) 「オレム標準看護計画」 、2) 「オレム理論の視点を取り入れたガイドブック」 の利用状況と評価、3) オレム理論の看護過程への活用について、1小児医療施設の看護師395名を対象に質問紙調査を実施・分析した。結果、279名 (質問紙回収率70.9%、有効回答率70.6%) から回答を得た。オレム理論について約半数が内容を理解し、約8割がオレム標準看護計画を使用し役立つと認識していた。また、看護師は親のケア能力と子どものセルフケア能力を高める支援において子どもの成長発達と家族を含めた看護を意識的に行っており、これは平成19年度からの教育的介入によりオレム理論を活用することが浸透しているためと考えられた。しかし、理論の視点を取り入れたガイドブックの利用率は低く、内科系外科系部署の特徴による看護過程への理論の活用状況に差が生じており、教育的介入方法の検討の必要性が示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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