日本小児看護学会誌
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研究報告
在宅超重症児の父親による父親役割遂行に対する母親の思い
下野 純平市原 真穂
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2016 年 25 巻 3 号 p. 9-16

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抄録

 在宅超重症児の母親7名を対象とし、父親による父親役割遂行に対する思いを明らかにし、家族マネジメントの視点から家族への看護援助を考察することを目的に質的記述的研究を行った。

 結果、【父親として超重症児を可愛がってくれていることで得られる安堵】、【仕事が主要な役割でありながら育児を遂行してくれていることへの敬意】、【現在の育児家事の協働体制を維持したい】、【超重症児のことを安心して任せきれない】、【超重症児のニーズに応じた取り組みを尊重してくれていることに感謝】、【話を聞いてくれることで精神的な支えとなってくれていることに感謝】、【時にすれ違う歯痒さ】、【父親役割を遂行することで生じる葛藤を汲み取りたい】、【ともに今を一生懸命暮らすしかない】が抽出された。

 家族への看護援助として、超重症児が高度医療機関に入院中から両親の思いの違いに注目していくことや父親が超重症児と触れ合い、その時の思いを表出できるように関わることが必要である。

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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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