日本小児看護学会誌
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研究報告
子どもと家族にかかわるすべての看護師に求められること
—これからの小児看護につながる小児看護学実習の課題—
川名 るり吉田 玲子太田 智子江本 リナ鈴木 健太鈴木 翼山内 朋子筒井 真優美
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2017 年 26 巻 p. 15-22

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抄録

 本研究は小児看護の専門性を熟知しつつ、かつ、病院全体の小児看護にかかわる相談を受ける立場にある現役の小児看護専門看護師 (以下、小児CNS) の視点からみた、子どもと家族にかかわるすべての看護師に求められることを明らかにし、小児看護学実習における課題と示唆を得ることを目指した。

 小児CNS 7名へ半構成的面接を実施した。その結果、小児CNSはコンサルテーション業務等でかかわる成人看護師の戸惑いや現場の状況を踏まえて、子どもと家族にかかわるすべての看護師には以下の内容が求められると考えていることが明らかになった。

 1. 子どもには大人とは異なる 「さじ加減」 があり、発達の見方をつなぎ合わせて子どもを理解すること、2. 親、親子関係の発達を踏まえた専門的なかかわりが必要な時期があることを理解すること、3. 子どもと家族、医療者の間で協同するスタンスをもつこと、4. 人生初期の体験は後に与える影響が大きいため労力や時間をかけるのは当たり前という考えをもつこと。

 今後、さらに臨床現場で生じる課題を見通し、臨床現場のニーズに対応できる看護師育成を視野に入れて、基礎教育での実習展開や指導について具体的に再検討をすることが求められる。

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© 2017 一般社団法人 日本小児看護学会
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