日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
Print ISSN : 1344-9923
26 巻
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原著論文
  • 佐々木 美和子, 小島 ひで子
    2017 年 26 巻 p. 1-7
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     小児慢性疾患をもつ中・高校生の自立支援への母親の思いを明らかにすることを目的に、小児慢性疾患の中・高校生の母親6名に、半構成的面接を行った。修正版グランデットセオリーアプローチに準じて分析を行った結果、28概念から12サブカテゴリーを生成し、4カテゴリーとして収束した。母親は、【子どもが人との関わりの中で病気と向き合う経験を通して、自分らしく生きる】という子どもへの将来の願いを基盤に、【子どもが病気である自分を認め自律して育つ】ことを願い支援していた。子どもへの支援の中で、母親は【病気をもつあるがままの子どもを受け入れ、希望をもち前向きに過ごす】と【予測のつかない病気とともに生きる子どもの変化に不安感を抱く】の思いの中で揺れ動いており、その揺れが子どもの自立支援に影響していることが明らかになった。看護師の母親への有効な支援として、病状理解を促し、子どもを肯定的に認められようにすることが示唆された。

  • 松浦 衣莉, 奈良間 美保
    2017 年 26 巻 p. 144-151
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/30
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、子どもが乳幼児期に長期入院した経験をもつ親が、どのように子どもと共に過ごす体験をしてきたか、親自身の語りから明らかにすることである。11名の親に半構成的面接を実施し、質的帰納的分析を行った。その結果、【受け止められず、気持ちがついていかない】、【周りと閉ざされていると苦しい】、【いろんなことが限られて、この子のことは思うようにならない】、【親として精一杯頑張らないではいられない】、【ただこの子と一緒にいたい】、【この子が苦しいと胸が締め付けられ、この子が楽だと嬉しい】、【この子と触れ合いながら、2人でちょっとずつ成長してきた】、【寄り添う心や愛をもって、生まれてきたこの子を大事にしてほしい】などの12カテゴリーが抽出された。子どもに向かう親の思いや望みが、医療の中で遂げづらいことがあり、長く医療が必要な中で、さまざまな状況や周りの人との関わりを通して、親が子どもと共に積み重ねている体験に着目する重要性が示唆された。

研究報告
  • 大内 暁子
    2017 年 26 巻 p. 8-14
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     目的 : 看護師がどのようなウォーキングカンファレンスを行い、その後の乳幼児の看護に活かしているかを明らかにする。

     方法 : Leiningerの民族看護学の研究方法に基づき、小児病棟で参加観察とインタビューを行った。研究参加者は、主要情報提供者として乳幼児と家族にかかわる看護師7名と、一般情報提供者として乳幼児と家族7組、看護師5名と医師2名であった。

     結果 : 4つのテーマと1つの大テーマが抽出された。1. 子どもを見て気づいたことを話し合い必要なケアを考え出して行う。2. 状態の変化がある子どもを見て触れて観察を続け変化を捉える。3. かかわりやケアを知っている看護師が行いながら伝えて他の看護師も行う。4. 気になったことを子どもに聞いてサインを捉えケアの際も捉えながら行う。

     考察 : 子どもの側で話し合うことで、皆で看護を評価していると実感でき看護の価値への気づきとなっていたと考える。また、学習する組織の土壌作りにつながっていたと考える。

  • 川名 るり, 吉田 玲子, 太田 智子, 江本 リナ, 鈴木 健太, 鈴木 翼, 山内 朋子, 筒井 真優美
    2017 年 26 巻 p. 15-22
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は小児看護の専門性を熟知しつつ、かつ、病院全体の小児看護にかかわる相談を受ける立場にある現役の小児看護専門看護師 (以下、小児CNS) の視点からみた、子どもと家族にかかわるすべての看護師に求められることを明らかにし、小児看護学実習における課題と示唆を得ることを目指した。

     小児CNS 7名へ半構成的面接を実施した。その結果、小児CNSはコンサルテーション業務等でかかわる成人看護師の戸惑いや現場の状況を踏まえて、子どもと家族にかかわるすべての看護師には以下の内容が求められると考えていることが明らかになった。

     1. 子どもには大人とは異なる 「さじ加減」 があり、発達の見方をつなぎ合わせて子どもを理解すること、2. 親、親子関係の発達を踏まえた専門的なかかわりが必要な時期があることを理解すること、3. 子どもと家族、医療者の間で協同するスタンスをもつこと、4. 人生初期の体験は後に与える影響が大きいため労力や時間をかけるのは当たり前という考えをもつこと。

     今後、さらに臨床現場で生じる課題を見通し、臨床現場のニーズに対応できる看護師育成を視野に入れて、基礎教育での実習展開や指導について具体的に再検討をすることが求められる。

  • 黄波戸 航, 山崎 あけみ, 新家 一輝, 髙島 遊子
    2017 年 26 巻 p. 23-30
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、対象の状況の変化するスピードが速い急な発症を伴う子どもの短期入院において、的確に看護実践を行なうために、急性期から回復期における看護実践を明らかにすることを目的とした。実務経験が2年以上の看護師20名を対象に、2015年2月~11月の期間において半構造化面接を行ない、フィールド・リサーチを参考に質的帰納的に分析した。結果、看護実践は急性期、回復期に分けられ、急性期には【入院という変化が起こった直後の情報収集】、【症状や環境の変化による苦痛の緩和】、【治療が効果的に実施できるような関わり】、回復期には【子どもの状態が落ち着いた時の情報収集】、【症状が落ち着いている時の入院生活の調整】、【退院に向けて回復過程が継続できる関わり】という6つのカテゴリーが見られた。急な発症を伴う子どもの短期入院の看護実践として、同じ情報収集や処置、検査の介助、日常生活援助においても、その時々の子どもの状態を見極め、必要に応じて工夫していくことが重要である。

  • 宮下 佳代子, 楢木野 裕美
    2017 年 26 巻 p. 31-37
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     ターミナル期の子どもの主体性を支えるケアを明らかにするために、小児看護専門看護師11名に半構成的面接を行い質的記述的に分析した。ターミナル期の子どもの主体性を支えるために【子どもが思いを出せる環境を作る】、【子どもが “何を思っているのか” 探りながら捉える】、【子どもとこれからの過ごし方を考えていくための話をする】ことで子どもの思いを意図的に捉えていた。さらに【子どもの望みを見出す】、【子どもにとっての “ふつうの生活” が送れるようにする】、【子どもの “やっている感” を維持する】、【子どもの “できる感” を維持する】ことにより子どもとの日々の関わりの中で主体性を支えていた。また【その子らしくいられるよう症状コントロールをする】ことで主体性を発揮できる身体を整えること、子どもの安全基地となる【子どもに向き合う家族の準備をする】こと、常に看護師が【子どもに向き合える姿勢】を構えとしてもつことによりケアが成立していた。

  • 太田 智子, 川名 るり, 吉田 玲子, 江本 リナ, 鈴木 健太, 鈴木 翼, 山内 朋子, 筒井 真優美
    2017 年 26 巻 p. 38-44
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、基礎教育における小児看護学実習において、小児看護専門看護師が必要と考える実習現場での学生への支援を明らかにすることを目的とし、小児看護学実習の指導に携わった経験のある小児看護専門看護師7名に半構成的面接法によるグループもしくは個別のインタビューを行い、学生への支援に関する内容、文脈的な意味づけを見出し、重要な要素を抽出した。

     その結果、小児看護専門看護師は学生への支援として、1. 子どもの反応や様子について投げかけたり、小児ならではの工夫や情報を話してその意味を伝える、2. 学生が体験できることを増やし、難しい場合は見せて記憶に残す、3. 子どもをトータルで結びつけられるようにフィードバックする、4. それぞれの体験を共有させる必要があると考えていることが明らかになった。これは、学生の学びを広げるために、小児看護学実習における指導の基盤となる支援であった。また、短い実習期間の中で、小児看護学実習でしか学ぶことができない子どもや家族へのかかわりや技術を、学生がなるべく体験し、記憶に残すことができるように支援していく必要性が示唆された。

  • 橘 ゆり, 鈴木 ひろ子
    2017 年 26 巻 p. 45-50
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、医療的ケアを必要とする子どもの在宅生活を継続している母親がどのような思いを抱いているのかを明らかにすることである。医療的ケアを必要とする子どもの在宅生活を継続している母親, 7名に半構成的面接を行い、質的記述的研究方法により分析した結果、家族は【地域のサービスを利用しながら家族そろって生活ができる喜び】、【家事、育児、ケアの時間に追われ、心身への負担を感じる】、【体調の変化に伴う緊急時の不安】、【夫や同胞へ負担をかけているのではないかという心配】、【医療的ケアが必要なことによる支援体制への不安】、【今後の生活への前向きな思い】、【子どもの成長の喜びと将来への不安】、【出生時に感じた悲哀の思い】の8カテゴリーの思いを抱いていた。母親が多様な課題をクリアしながら、安心して生活を送るためには他職種や地域の社会資源との連携を継続的に行うことが必要である。また、親の会や同じ障がいをもつ母親との出会いを促すかかわりをしていくことが大切であり、人と人をつなぐ橋渡しは在宅支援の大きな役割である。子どもの成長発達を母親とともに喜び、その思いを共有することが大切である。また家族そろって生活ができる母親の喜びの心の内には、出産時に感じた悲哀の思いを抱き続けていることを忘れず、継続的にかかわっていく必要があると考えられる。

  • 宮城島 恭子, 大見 サキエ, 高橋 由美子
    2017 年 26 巻 p. 51-58
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     小児がん患児の学校生活における活動調整と情報伝達に関する意思決定プロセスと決定後の気持ちを明らかにする目的で、外来通院中の10歳代の小児がん患児10名を対象に半構成的面接調査を実施し、質的帰納的に分析した。学校生活の活動調整にあたっては、【退院後の自分の身体についての認識】をし、【皆と同じでありたいという目標】をもち、【体調を考慮した活動方法について周囲の人と相談】、【活動後の身体への影響を予測】するなどして、【体調に合わせた運動への参加方法を決定】していた。学校関係者への情報伝達については、【学校での病気の認知のされ方を認識】し、【友人への説明について周囲の人と相談】等を経て、病気や入院経験、体調、脱毛などの情報を伝える程度や相手を決定していた。学校生活の調整にあたっては、体調の認識、皆と同じ行動をしたい気持ちや周囲の反応への敏感さなど、患児の気持ちを尊重した選択肢の決定を支援する必要がある。

  • 平田 研人, 前田 貴彦
    2017 年 26 巻 p. 59-64
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、入院中の患児ときょうだいとの面会が母親にもたらす効果はどのようなものであると付添い中の母親自身が認識しているのかを明らかにすることを目的とした。A県内の小児病棟を有する1施設に、急性疾患で入院中の1歳以上の患児に付き添い、患児に2~5歳のきょうだいをもつ母親で、入院から1週間以内にきょうだいの面会があった者7名に対し、半構成的面接を実施した。入院中の患児ときょうだいとの面会が母親にもたらす効果として、2のカテゴリーが見出された。【きょうだいを残して付添いを継続しても大丈夫との実感】は5のサブカテゴリーで構成され、 [きょうだいと会えなかった寂しさの緩和] や [きょうだいの様子を自分で確認できることでの安心感の獲得] をもたらすと認識していた。また、【きょうだいに現状を理解してもらう際の関わりやすさ】は、2のサブカテゴリーで構成され、患児ときょうだいの面会は、付添い中の母親にとって有益である可能性が示唆された。

  • 酒井 結実
    2017 年 26 巻 p. 65-71
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     目的 : 重症心身障がい児の定期的レスパイト入院中に在宅ケアの調整に向け、看護師が子どもと家族へどのようにかかわっているかを明らかにする

     方法 : Leininger民族看護学の研究方法に基づき、小児病棟で参加観察とインタビューを行い分析した。主要情報提供者は看護師7名、一般情報提供者は重症心身障がい児と家族14名、医師2名であった。

     結果 : 大テーマ 「レスパイト入院ごとの子どもの体調や家族の負担をみた上で、次回のレスパイト入院までのケアを見極め、家族が主体となって今の子どもと家族に合った在宅ケアを作り上げ、子どもと家族が今後も家での生活を続けられるようにしていた」 の根拠となる5つのテーマが導き出された。

     考察 : 定期的レスパイト入院は変化し続ける子どもと家族に合ったケアを見つけ、家族のやり方を尊重しながら新しいケアを作り上げる機会になっていた。

  • 笹尾 由佳理, 佐藤 朝美, 廣瀬 幸美
    2017 年 26 巻 p. 97-103
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、母子分離を体験しているNICU入院児のきょうだい児へ、看護師がどのような支援を行っているのかを明らかにすることを目的とし、NICUの看護師5名に、きょうだい児のストレス反応、きょうだい支援の内容・効果について半構造化面接を行った。その結果、5つのカテゴリーが得られた。看護師はきょうだい児の今までと違う様子から母子分離の影響があり、その原因を 「見えない同胞の存在」 にあると捉え、きょうだい児と母親の関係性を回復させること、きょうだい児に同胞の存在を伝えること、きょうだい面会の設定を行っていた。これらの支援は、特にきょうだい児が乳幼児期である場合、目の前にないものをイメージすることが難しいため、直接同胞に会うことで、兄・姉としての自覚がもて、さらには、家族の一員としての役割を果たすことができるようになると看護師は考えて支援を行っていることが明らかになった。

  • 田代 祐子
    2017 年 26 巻 p. 104-110
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

     目的 : 小児病棟の看護師が短期入院している乳幼児の状況に合わせた清潔ケアをどのように行っているのかを明らかにする。

     研究方法 : Leiningerの民族看護学を用いた。主要情報提供者は看護師6名、一般情報提供者は乳幼児と家族6組、医師3名であった。

     結果 : 1. 急性期は、看護師が行って素早く終わらせるか、家族に手伝ってもらって子どもを泣かせないようにするか見極めながら清潔ケアを進めていた。2. 清潔ケアを行うことが困難な場合、何度も訪室してタイミングを見計らいながら清潔ケアを進めていた。3. 急性期を脱した時期は、事前に環境を整えて、ケア方法を家族に伝えながら清潔ケアを進めていた。4. 退院が近い回復期は、清潔ケアを含めた入院生活が豊かな時間となるように清潔ケアを進めていた。

     考察 : 看護師は入院間もない急性期症状のある時点から、常に安全と清潔のバランスを見極めケアの方法を変えていた。このケアの方法とは、単なる拭き方や時間配分ということでなく家族の参加の仕方も変えており、これはケアのありようそのものであった。

  • 中嶋 佳奈子
    2017 年 26 巻 p. 111-117
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

     新生児期に手術を必要とする子どもの家族に対し、看護師が何を考え、どのような実践を行っているのかを明らかにすることを目的に、新生児期に手術を必要とする子どもの家族と関わったことのある看護師5名に半構成的面接を行った。その結果、看護師の考えとそれを基に行っている実践について5つのテーマが見出された。それら5つのテーマから、看護師は、子どもと家族のこれからという長期的な視点をもち、家族に今必要なことを考え、実践すること、子どもを取り巻く環境や自分たちのケアがどのように見えるのかを家族の目線で想像し、家族が面会時に少しでも安心できるような工夫を積み重ねることが重要であると示唆された。さらに、医療技術の進歩に伴い、出産前から新生児期に手術を必要とする子どもの家族は不安や悩みを抱えているにもかかわらず、家族への関わりが病棟という縦割りの中で一貫していない現状が明らかとなり、今後は一貫した関わりを行う方法や体制づくりについて検討が必要であることも示唆された。

  • 盛岡 淳美, 松浦 和代
    2017 年 26 巻 p. 118-124
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は児童生徒の保護者の視点からみた特別支援学校における医療的ケアの現状の問題と保護者のニーズを明らかにすることを目的とした。対象はA県特別支援学校に在籍する医療的ケアが必要な児童生徒の保護者13名であった。研究方法は半構造化インタビューであった。内容分析によって、逐語録から210コード、61サブカテゴリ、18カテゴリおよび5テーマを抽出した。5テーマのうちの一つである現状の問題として、教員、コミュニケーション、教育実践、学校看護師、管理体制、保護者に関する6つの問題が明確となった。そして、ほかの3テーマによって連携体制の強化、医療的ケアの深化、教員、学校看護師、教育実践に関する5つのニーズが明確化された一つのテーマが導き出された。保護者のニーズは、子どもの最善の教育を実現することをゴールとして、医療的ケアの実践において教員、学校看護師等多職種がコミュニケーションに重点をおき、協働・連携を行うことに集約された。

  • 木村 芳正
    2017 年 26 巻 p. 125-131
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

     目的 : 短期入院で手術を受ける幼児の家族に対して、病棟看護師が病棟と手術室間の移送の際に行うかかわりの意味を明らかにする。

     方法 : Leiningerの民族看護学を参考に、参加観察とインタビューを行った。参加者は小児病棟看護師4名、子どもと家族・医師18名であった。

     結果 : 5つのテーマを導き出した。1. 手術室に向かう時は家族と楽しく話す様子を子どもに見せて子どもの安心につなげる、2. 手術室に向かう時はいつもの子どもや親子関係を捉えてケアの手がかりにする、3. 麻酔導入直後に家族の思いを捉えて術中や術後について説明する手掛かりにする、4. 子どもの入室後は家族に術後の子どもについて前もって説明して、子どもを家族と同じ方向で見られるようにする、5. 術後に病棟に戻る時は子どもの状況を家族に伝えて術後に家族が子どもを安心させる道筋を作る。

     考察 : 病棟看護師の移送での家族へのかかわりが家族の力を発揮させ、術前後の子どもの利益へとつながっていた。

  • 立石 由紀子, 廣瀬 幸美, 佐藤 朝美
    2017 年 26 巻 p. 152-158
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/30
    ジャーナル フリー

     本研究は、心臓手術を受けた新生児・乳児をもつ母親のICU (Intensive Care Unit : 以下、ICU) 入室初期の面会における体験を明らかにすることを目的とした。ICUに入室した新生児・乳児をもつ母親4名を対象に半構成的面接を行い、質的記述的に分析した。その結果、ICU入室初期の母親は、初回面会で【子どもの命が危険な状況を目の当たりにして罪悪感を抱く一方で、手術に耐えた子どもの頑張りを感じる】と同時に【術後24時間の “ヤマ” を越えるまでは、子どもの命がどうなるかわからないので気が休まらない】状態であり、面会を重ねるうちに【医師の説明や子どもの様子から順調な回復を実感できると安心する】、【面会制限があっても子どもと少しでも長くいたい】と切望し、【看護師の気遣いや子どもとの面会、家族がそばにいることで産後のつらい状況が安らぐ】、【いつも子どものそばで看てくれる看護師の配慮に支えられる】体験をしていた。ICU入室初期の母親には、母親の気持ちを理解した説明が不可欠であり、子どもの状態が理解できるよう、母親の心身に配慮した支援の重要性が示唆された。

  • 浅井 佳士, 浅野 みどり
    2017 年 26 巻 p. 159-165
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/30
    ジャーナル フリー

     本研究は重症心身障がい児をもつ主養育者の在宅移行期における意識を明らかにし、重症児と家族に対する支援の在り方を検討していくことである。対象は在宅で重症児をもつ子どもの主養育者5名に構成面接を実施し特徴を明らかにした。子どもへの思いについて移行期および現在との得点比較を行った結果、不安を抱えたまま在宅移行した主養育者も含め、全員が在宅移行期より現在の子どもへの思いが高くなっており、在宅移行してよかったと思えていた。在宅移行期の子どもへの思いとして7のカテゴリー、在宅移行に不安や困難があった影響要因として8のカテゴリーが抽出された。

     影響要因などから在宅移行に不安を感じていたとしても、【子どもと過ごしたい】思いを大きくすることによって、不安を不安として意識しないよう支えていくことが【子どもと一緒に家に帰る】思いを高めていけることが示唆された。

  • 大谷 尚也
    2017 年 26 巻 p. 166-172
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/30
    ジャーナル フリー

     目的 : 看護師がPICUに入室している鎮静下の幼児の表情をどのように捉え、ケアに生かしているのかを明らかにすることである。

     研究方法 : Leiningerの民族看護学を用いた。研究参加者は、看護師8名と一般情報提供者の幼児と家族9組、医師5名とした。

     結果 : 1. 「険しい」 表情が続く時は、眠れない原因があると推測し、鎮静深度を見極めていた。2. 目を閉じていても口を動かす表情の時は、計画外抜管の可能性を予測し呼吸の安定を維持させていた。3. 鎮静薬中止後、3時間経過しても 「うつろな」 表情の時は、病態の悪化があると予測し急激な悪化を防ぐ対応につなげていた。4. 覚醒しても 「ぐったり」 で 「辛そうな」 表情の時は、呼吸や循環の影響を予測し安静にさせるケアを優先させていた。

     考察 : 鎮静下において、眉間や目元口元のわずかな表情の変化を捉えて、今後起こり得る異変を予測し今必要なケアを見極めていたと考える。

実践報告
  • 西川 菜央
    2017 年 26 巻 p. 72-77
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     手術を受けた先天性心疾患のある乳児の摂食が開始される時に円滑にその行動をとることができるように、乳児に早期からの摂食機能に関するセルフケア獲得を促す看護介入の効果を検討することを目的とし、オレムのセルフケア不足看護理論を基盤とした先天性心疾患のある乳児への摂食機能獲得に向けた介入計画を基に、3名の研究協力者に事例介入研究を行った。その結果、この時期に手術を受けた乳児は摂食制限期間中、摂食機能を発達させていく過程が阻害されていたが、治療中であっても維持・獲得できている能力もあることが明らかになった。このような乳児に手術後早期から乳児のもっている能力・また今後獲得できると予測される能力を生かし、病状が安定したときに向けて意図的・継続的に看護介入を行うことで児の摂食機能セルフケア能力が向上した。

資料
  • 岡 澄子, 野中 淳子, 米山 雅子
    2017 年 26 巻 p. 78-83
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、NICUに入院した子どもの父親の体験について文献検討により明らかにし、今後の課題を検討することを目的に、MEDLINE、CINAHL、医学中央雑誌Webを用いて文献検討を行い、国内外の12文献を分析対象とした。内容の類似性から【ストレスとコーピング】、【父親の役割】、【父親のニーズ】、【父子関係の形成】に分類された。

     予期せぬ突然の早産、低出生体重児の誕生は、母親だけでなく父親にとってもストレスが高く、子どもの生命や予後への不安や恐怖、無力感などの感情、コントロール感の欠如を体験していた。しかし、ストレスを抱えながらも、仕事を通じて経済的役割を担い、家族を守る役割を優先していた。父親にとって客観的な情報の提供や体験の共有が必要であった。今後は、社会的な視点からも父親の体験を明らかにし、NICUに入院した子どもの父親の理解をさらに深め、父親のニーズに合わせた看護援助を検討していくことが必要である。

  • 山内 朋子, 川名 るり, 筒井 真優美, 江本 リナ, 太田 智子, 吉田 玲子
    2017 年 26 巻 p. 84-90
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     目的 : 看護系大学小児看護学実習フィールドの現状と今後の研究課題を国内文献の文献検討により明らかにする。

     方法 : 医学中央雑誌WEB (Ver. 5) を用いて2007年~2013年7月の看護研究の文献検索を行い、実習フィールドが文献内容から読み取れる49件を抽出した。実習のフィールド構成と展開方法、成果の視点から分析を行った。

     結果 : 小児看護学実習フィールドは主に【小児病棟】、【外来/クリニック】、【障害児施設】、【保育所】であった。複数フィールドを組み合わせた実習構成をとる大学が複数ある中、 「小・中学校」 や 「子ども家庭支援センター」 で実習を行う大学や【小児病棟】での実習を行わずに代用フィールドでの実習を行う大学もあった。多様化するフィールドで学生は地域医療や在宅医療が推進されている現代社会に即した学びを得ていたが、その学びを得る過程は明文化されていなかった。

     考察 : 教育・福祉施設といった新たな実習フィールドでの展開方法や実習成果、複数フィールドを組み合わせた実習における学生の学びを得る過程を明らかにすることが、より効果的な実習の構成や展開方法を検討する上で重要であると示唆された。

  • 平塚 克洋, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    2017 年 26 巻 p. 91-96
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     思春期前期の胆道閉鎖症患児が療養行動をどのように意味づけて実施しているのかを明らかにして看護支援への示唆を得ることを目的に、ヘルスプロモーション・モデルを分析枠組みの参考とし、質的記述的研究を行った。10歳~14歳の患児3名に半構成的面接調査を実施した。

     結果として、患児らは、療養行動を実施することによる体調への影響に、曖昧さを認識していた。療養行動の意味づけが曖昧でも、親のかかわりなどをサポートとして自分なりに気をつけて療養行動を実施するという特徴が見出された。思春期前期の胆道閉鎖症患児の療養行動の意味づけと実際には、過去の体験、病気への思い・関心、胆道閉鎖症の特性などが関連していることが推察された。単に療養行動を実施しているかではなく、患児の療養行動の意味づけを理解し、患児が周囲のかかわりやペースに不必要に左右されずに療養行動を意味づけながら実施していけるよう支援することが重要である。

  • 大森 裕子, 岩瀬 貴美子, 友田 尋子
    2017 年 26 巻 p. 132-137
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、看護系大学での小児看護学におけるプレパレーションに関する教授内容と教授方法を明らかにすることを目的として行った。全国の看護系大学を対象に質問紙調査を実施し、56校 (回収率24.0%) より回答を得た。回答のあった学校のすべてが講義、学内演習、臨地実習のいずれかの教授形式でプレパレーションの教育を行っていた。講義では、 「プレパレーションの概念・目的」、 「プレパレーションの各段階」、 「プレパレーションツール」、 「子どもの倫理的配慮」 等の教授内容が共通していたが、学内演習と臨地実習では時間数や方法にばらつきがあった。学内演習では、 「採血・点滴」、 「吸入」 の場面設定が多く、臨地実習では日常的なケア場面でプレパレーションを実施していた。また、プレパレーションの教育には、 「学生」、 「教育力」、 「学内演習」、 「臨地実習」、 「プレパレーション自体の難しさ」 を要因とした困難さがあった。以上より、プレパレーションの教育は、講義での学びが学内演習や臨地実習との一連の教育になっておらず、その教授内容や方法の検討が課題として示唆された。

  • 吉竹 佐江子, 内 正子, 二宮 啓子, 山本 陽子, 市之瀬 知里, 丸山 浩枝, 三軒 麻実
    2017 年 26 巻 p. 138-143
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

     急性期病院において、喘息発作で入院した子どもとその家族に対してテーラーメイドの喘息指導を行い、その効果を明らかにすることを目的に、介入前、介入直後、介入1か月後の3時点で質問紙調査を行った。その結果、喘息指導前後で病態・治療・管理に対する理解が深まり、並行して喘息についてのセルフケアに関する自己効力感も上昇し、介入1か月後も継続できていることがわかった。短期入院が多い急性期病院の喘息発作入院において、子どもとその家族に病棟看護師全体でテーラーメイドの患者教育を行うことは、喘息をコントロールするためのセルフケア行動を起こすきっかけとして効果があることが示唆された。また、そのきっかけを生かすことができるよう、継続した関わりのシステム作りを行うことが必要であることが考えられた。

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