日本小児看護学会誌
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研究
成人期に達した医療的ケアのある長期在宅障がい児 (者) 家族のレジリエンス構成要素
―主介護者である母親の認識からの分析―
宮谷 恵市江 和子
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2018 年 27 巻 p. 114-121

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抄録

 医療的ケアのある障がい児を、小児期から成人期まで10年以上在宅で養育している主介護者の認識する家族レジリエンスの構成要素を明らかにすることを目的に、質的帰納的研究を行った。

 対象は母親 (主介護者) 10名であった。分析の結果、95コード、36サブカテゴリー、12カテゴリーが抽出された。カテゴリーをGrotbergの考え方により分類し、『I AM』3カテゴリー、『I HAVE』6カテゴリー、『I CAN』3カテゴリーとなった。在宅生活を継続できた理由は、『I AM』の要素との関連が大きいことがうかがえた。『I HAVE』の多くの要素が、在宅生活の継続には不可欠であった。『I CAN』では母親が精神的支えとマネジメント力を獲得することが、長期の在宅生活の継続に重要な要素であると考えられる。これらの要素を踏まえた支援が、医療的ケアのある障がい児の長期在宅療養生活を可能にすることが示唆された。

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© 2018 一般社団法人 日本小児看護学会
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