本研究目的は、 「点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整機能発揮に向けた看護実践プログラム」 による看護師の実践への認識の変化を明らかにすることである。小児看護経験3年以上の看護師9名に対して、プログラムケア内容説明前1回と後2回の実践と認識を参加観察および半構成的面接で縦断的に調査し質的帰納的に分析した。結果、看護師は説明前に【今ある自分の枠を規準にした子どもやケアへの理解と判断】をしていたが、説明後は【子どもの調整能力に着目した実践を通して意味づけられたケアの気付き】や【子どもの調整能力に意味づけた実践へと向かってゆくケア志向】を語った。一方、全時期で【子どもの調整能力を支えるケア志向の揺らぎ】がみられ、説明後も【今ある自分の枠を規準にした子どもやケアへの理解と判断】を語る看護師もいた。子どもを支えたい思いをもち揺らぐ看護師を受けとめ、実践を通した学びを支援する重要性が示唆された。