2019 年 28 巻 p. 95-100
本研究の目的は重症心身障害児 (者) とその次子をもつ母親の思いを明らかにすることである。研究デザインは質的統合法で、対象者は7名である。分析の結果、【孤独感 : 信頼して障害児 (者) を任せられる人がいない】【感謝の念 : 家族や医療福祉スタッフが助けてくれる】【諦念 : 障害児 (者) と共に生きていく】【衝動 : 何もかも捨てて自由になりたい】【準備 : 自分亡き後の障害児 (者) の生活を整える】【後悔の念 : 次子に制約をかけてしまっている】【期待 : 障害児 (者) を大事にしながらも次子には自立してほしい】の7つのシンボルマークが抽出された。母親は障害児と次子を共に養育している先輩母親の後押しと医療福祉スタッフによる支援に対して感謝し支援学校卒業後、障害児 (者) の生活を整える準備をしながら、自分が亡くなった後、次子に障害児 (者) を委ねながらも自立してほしいと願い将来を案じる親心を抱いていた。