日本小児看護学会誌
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研究
小児集中治療に携わる小児科医師がとらえたEnd-of-Lifeを迎える患児家族との相互作用のプロセス
髙橋 恵小島 ひで子
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2021 年 30 巻 p. 115-121

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抄録

 本研究の目的は、小児集中治療に携わる小児科医師がとらえたEnd-of-Lifeを迎える患児家族との相互作用のプロセスを明らかにすることである。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用い医師5名にインタビューを実施した。医師のEnd-of-Lifeを迎える患児家族との相互作用には、【家族の期待を背負い児の状態に対し治療への苦渋の岐路に立つ】、【End-of-lifeに向かう状況に腹をくくり家族への説明を模索】、【児のQOLについて家族の思いを掘り下げ決断を支える】プロセスが抽出された。医師は、病状により早期に治療の限界と予後をイメージできる一方、内科系疾患のように長期集中治療が想定される場合、治療の限界を判断するタイミングには、自問自答や葛藤が生じていた。家族が治療を託す中で治療継続を逡巡する時間は、児や家族にとっての治療の意味や今後を見据えた方針を再検討する転換期になると推察された。

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© 2021 一般社団法人 日本小児看護学会
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