2021 年 30 巻 p. 205-212
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による小児の入院環境の変化と対応策を明らかにするため、全国の小児が入院する病院352施設を対象に横断調査を行った。61施設より回答があり (回答率17.3%)、病床利用率は68.2%から54.6%に低下していた。その理由は 「感染症患者 (新型コロナウイルス感染症以外) が減少した」 が92.5%と最も多かった。プレイルームの利用規則を変更した施設は62.3%であり 「使用禁止」 や 「使用人数の制限」 などの変更がされていた。付き添い率は72.6%から65.0%へ低下していた。面会基準は、「親以外は不可」 が60.8%と最も多く大きな変化がみられた。入院環境の問題として 「面会の制限」、「付き添い者の交代制限」 が多く、対応策としてリモート面会や運用マニュアルの作成などが行われていた。感染対策と子どもの権利擁護、付き添い者の負担軽減ができる対応策がとられていた。