2021 年 30 巻 p. 81-88
本研究は、重症児の成長による身体変化に伴う治療をめぐる意思決定に関する文献検討を行い、 「その子らしく生きるための」 意思決定支援への示唆を得ることを目的とする。文献検索は医学中央雑誌Web (Ver. 5) を用い、キーワード 「重症心身障害児 (者)」 と 「意思決定」 を用い、対象は9文献であった。質的研究のシステマティックレビューを参考に分析した。研究目的と研究対象者から誰が考えた意思決定支援かを分析し、医療従事者が考える意思決定支援、親が歩んだ意思決定過程とその時の思い、親が考える意思決定支援の三つに分類できた。親への意思決定支援の現状を明らかにしたものが多く、今後は具体的な意思決定支援の介入方法を考えていく。また、看護師から働きかけた内容と親が認識した内容を基盤にし、重症心身障害児がその子らしく生きるために親が治療をめぐる意思決定ができるように介入計画を考えていく必要がある。