日本臨床免疫学会会誌
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総説
新生児ループス
岩本 雅弘
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2005 年 28 巻 1 号 p. 4-9

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抄録
  新生児ループスは母親の自己抗体(抗SS-A抗体,抗SS-B抗体,抗U1RNP抗体)が胎盤を介して,胎児および新生児に障害をあたえる後天性,受け身の自己免疫症候群である.主症状は心伝導障害,皮膚症状,肝機能障害,血液障害である.完全房室ブロックは不可逆的な障害であるが,心症状以外の症状は一過性,可逆的な障害で生後1年までに自然に治癒する.前向き研究の結果,抗SS-A抗体陽性の女性が妊娠した場合の完全房室ブロック児が産まれる頻度は約2%である.また,過去に新生児ループス児を出産した女性が再度新生児ループス児を出産する確率は心ブロック児で10.5%,皮膚新生児ループス児で26%である.
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© 2005 日本臨床免疫学会
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