日本臨床免疫学会会誌
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総説 特集:自己抗体の産生機序とその病原性
全身性強皮症におけるB細胞異常と自己抗体産生
佐藤 伸一
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2006 年 29 巻 2 号 p. 73-84

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抄録
  全身性強皮症(systemic sclerosis ; SSc)では自己抗体の病原性は不明である.CD19はB細胞抗原受容体からのシグナルを増強させ,CD19の過剰発現によって自己抗体産生が誘導される.SSc由来B細胞上ではCD19の発現量は20%増加していた.さらに,SScの動物モデルであるtight-skin (TSK)マウス由来B細胞では,CD19を介するシグナルの増強が認められた.TSKマウスではCD19を欠損させると自己抗体の産生が抑制され,皮膚硬化も減弱し,さらにB細胞からのIL-6産生も抑制された.以上より,自己免疫と皮膚硬化との関連性を説明するモデルを提唱したい.SSc由来B細胞ではCD19発現量が増加していた.その結果,これらのB細胞では末梢トレランスが壊れ,自己抗体の産生を来したものと考えられた.一方,CD19シグナルの増強によってB細胞が慢性的に活性化した結果,B細胞からIL-6をはじめとするサイトカインが産生され,これらが皮膚硬化を惹起すると考えられた.このモデルでは持続的に活性化したB細胞を共通の原因として想定することによって,自己抗体産生と皮膚硬化の誘導を関連づけている.さらに,このモデルはCD19やB細胞がSScの治療の標的となりうる可能性を示している.
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© 2006 日本臨床免疫学会
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