日本臨床免疫学会会誌
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総説 特集:創薬から見た免疫疾患の新たな治療ターゲット
IL-15, IL-17を標的とした新しい経口抗リウマチ薬の研究開発
千葉 健治
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2007 年 30 巻 5 号 p. 375-382

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抄録
  関節リウマチ(RA)ではインターロイキン15 (IL-15)およびIL-17が関節部位で過剰に産生されているが,IL-15はT細胞を活性化してIL-17の産生を誘導し,IL-17は滑膜細胞に作用してIL-6, TNF-α, IL-8, CCL2などの炎症性サイトカインを誘導することから,IL-15およびIL-17はRAの発症および進行に重要な役割を果たしていると考えられている.そこで,我々はRA治療における新たな標的分子としてIL-15およびIL-17に着目して創薬研究を進め,IL-15で活性化したT細胞からのIL-17産生を10 nMのオーダーで抑制する新規低分子化合物Y-320を見出した.DBA/1Jマウスのコラーゲン誘発関節炎(CIA)において,Y-320を0.3~3 mg/kgで治療的に経口投与した場合,関節炎および関節破壊の進行が有意に抑制された.また,Y-320の投与によって関節部位のIL-17 mRNA発現が著明に低下すること,および抗TNF-α抗体との併用で相乗効果を示すことが示唆された.さらに,カニクイザルCIAにおいても,Y-320は0.3 mg/kg以上の経口投与で治療効果を示すことが判明した.以上から,Y-320はIL-17産生抑制作用を有する経口投与可能な新規抗RA薬として有用と考えられる.
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© 2007 日本臨床免疫学会
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