日本臨床免疫学会会誌
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原著
早期関節リウマチの診断における抗環状シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)の有用性の検討
宮村 知也渡邉 秀之高濱 宗一郎園本 格士朗中村 真隆安藤 仁南 留美山本 政弘末松 栄一
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2009 年 32 巻 2 号 p. 102-109

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抄録
  【目的】抗CCP抗体は,関節リウマチ(RA)の血清中に特異的に検出される自己抗体として注目されている.今回われわれは,早期RAにおける抗CCP抗体の有用性の検討を行った.【対象・方法】発症後2年以内の多関節炎を主訴に当科を受診した184例において,抗CCP抗体,IgM-RF,抗ガラクトース欠損IgG抗体,MMP-3を測定し,RAの確定診断,疾患活動性,治療について検討した.【結果】184例中RA確定診断に至った症例は80例であった.抗CCP抗体の感度は60%,特異度は89.4%,診断正確度は76.6%であり,その他のマーカーと比較し,感度は同等,特異度,診断正確度は高かった.また,初診時に診断未確定で経過中RAと診断された38例における抗CCP抗体の陽性率は55.3%であった.一方,抗CCP抗体陽性および陰性患者のDAS28ESRはそれぞれ5.16,5.34であった.【考案】抗CCP抗体は,早期RA患者でIgM-RFと同程度の感度を示し,RAの早期診断に有用であると考えられた.
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© 2009 日本臨床免疫学会
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