日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
総説
関節リウマチに対する新規生物学的製剤・低分子化合物
齋藤 和義田中 良哉
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 32 巻 3 号 p. 149-159

詳細
抄録
  関節リウマチ(RA)は滑膜を病態の主座とする全身性自己免疫疾患である.RAの治療の目標は,疾患活動性制御と関節破壊の進展抑制であるが,近年メトトレキサート(MTX)さらには腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor : TNF)に対する阻害療法が登場し,高い疾患制御・骨破壊抑止効果がもたらされた.しかしながら,これらの治療をもってしても寛解導入は約3割であり,効果不十分である症例も少なからず存在する.これらの効果不十分症例に対する新規治療として,ゴリムマブやセルトリズマブなどのTNF阻害剤に加えて,B細胞やT細胞上の表面分子を標的とした生物学的製剤のTNF阻害療法での効果不十分症例に対する有効性が臨床治験にて明らかにされている.さらに,Jak3阻害剤やSyk (Spleen tyrosine kinase)阻害剤など生物学的製剤に匹敵するような臨床効果をもたらす低分子化合物による治療にも期待が高まる.
著者関連情報
© 2009 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top