日本臨床免疫学会会誌
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総説
疾患特異的マーカーの検出
―川崎病における検討―
唐澤 里江藤枝 幹也遊道 和雄
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2010 年 33 巻 4 号 p. 207-213

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抄録
  抗血管内皮細胞抗体 (anti-endothelial cell antibodies : AECA) は血管内皮細胞の表面抗原に対する抗体の総称である.AECAは血管炎患者に高頻度に検出され,疾患活動性や血管炎症状に関連していることが報告されている.したがってAECAは川崎病など血管炎の病因・病態形成に関与している可能性が指摘されているが,その詳細は不明である.原因としてAECAの対応抗原が未だ十分に解明されていないことが挙げられる.そこで我々は,プロテオミクスを用いて血管炎患者におけるAECAの対応抗原蛋白の検出を試みた.現在までに血管炎患者において血管内皮細胞に特異的なAECAの対応抗原候補蛋白を約150個検出し,そのうち63個の蛋白を同定した.同定蛋白の1つは抗酸化酵素のperoxiredoxin2 (Prx2)であった.我々は抗Prx2抗体が血管炎患者に高頻度に検出され,炎症性サイトカイン/ケモカインの産生やPrx2の抗酸化作用を阻害することによって血管炎の病態に関与している可能性を見出している.本稿ではプロテオミクスを用いた血管炎におけるAECAの抗原解析について概説し,AECAの対応抗原の1つであるPrx2に対する自己抗体の川崎病における臨床的意義について述べたい.
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© 2010 日本臨床免疫学会
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