日本臨床免疫学会会誌
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総説
ヒト関節炎疾患とTh17
山田 久方
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2010 年 33 巻 4 号 p. 214-221

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抄録
  Th17細胞は,その発見からまだ間がないものの,関節リウマチ(RA)を含む,多くの自己免疫疾患,慢性炎症性疾患の病因細胞としての位置づけが確立されていった.そして,ついにRAに対する抗IL-17抗体投与試験も行われ,先日その結果も発表されている.確かに関節炎疾患におけるTh17の重要性はマウスモデルにおいては疑いようもない.しかし,ヒト関節炎疾患におけるTh17やその関連サイトカインの関与については,まだ十分に解析されたとはいい難いのが実情であるが,それについてもあまり知られていない.また,ヒトTh17細胞自体の性質についても不明な点が多く,マウスとヒトの間でも少し異なる可能性も考えられている.本稿ではヒトTh17細胞,およびそれらの関節炎疾患との関係についての,現在までの報告を若干の考察とともに紹介する.
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© 2010 日本臨床免疫学会
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