日本臨床免疫学会会誌
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総説
がん領域における抗体療法の進歩—抗CCR4抗体を中心に
伊藤 旭上田 龍三
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2012 年 35 巻 2 号 p. 118-128

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抄録
  近年がん治療の現場に多くの新規治療薬が登場している.リツキシマブ,トラスツズマブ,セツキシマブ,ベバシズマブといったモノクローナル抗体治療薬の登場はその新しい時代の象徴であり,それらの効果には目を見張るものがある.これらのモノクローナル抗体治療薬はいまや各がん種の治療において,第一選択薬として,あるいは術後の標準治療薬として重要な地位を占めている.
  しかるに我が国では,近年徐々に改善の兆しがみられるものの,依然としてがん治療薬のみならず多種・多分野の薬剤において,申請から承認の過程が必ずしも迅速でない事が問題となっている.したがって臨床医ががん患者さんに最新のがん治療を行おうとしてもそこには大きな制約が生じる.しかし我々はこの状況に甘んじることなく,研究・製薬・臨床などそれぞれの立場において,新規治療薬の基礎研究・開発・臨床研究を推し進め,がん患者さんに利益をもたらすべきである.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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