日本臨床免疫学会会誌
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シンポジウム
シンポジウム2-1  IFN α標的治療
竹内 勤
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2012 年 35 巻 4 号 p. 277

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抄録

  全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus: SLE)の治療は,副腎皮質ステロイド,シクロフォスファミフォド,アザチオプリン,ミゾリビン,タクロリムスなどの免疫抑制薬によって進歩したものの,中長期的予後は不良であり,その治療成績は到底満足できるものではない.関節リウマチに代表される生物学的製剤治療の成功を受けて,SLEにおいても同様の分子表的探索が進められていた.患者末梢血のmRNA発現解析の結果,1型インターフェロン誘導遺伝子が明らかに亢進している事が明らかになり,それが治療標的となった.その背景や,発現解析研究などの前臨床試験について概説する.その上で,現在,治験が行われているinterferon-αに対する抗体製剤に着目し,IgG1ヒト抗インターフェロンα抗体sifalimumab,IgG1ヒト化抗インターフェロンα抗体rontalizumab,ヒト抗インターフェロン受容体抗体(MEDO-546)について,製剤の特徴,治験デザインなどについて触れたい.

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© 2012 日本臨床免疫学会
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