抄録
小児期にみられるリウマチ性疾患は,若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis: JIA)を筆頭に,その病態の表現型が成人と大きく異なり,決して小児リウマチ疾患は成人疾患の「小型化」ではない.小児リウマチ性疾患の特徴として,・病期が小児期の分だけ長期にわたり,その時期が成長期にあたること,・成人例と比較して多臓器に障害が及ぶこと,・経過が進行性で臓器障害の程度が重いこと,・薬剤の効果,副作用に小児特有のものがあること,等が挙げられる.いずれの疾患も全身性の慢性炎症の特徴を有しており,長期予後を見据えた全身性アプローチを必要とし,早期でかつ正確な診断と治療法の構築が求められている.
JIAは,滑膜炎による関節の炎症が長期間繰り返す結果,関節軟骨および骨破壊が進行し関節拘縮や障害を引き起こす原因不明の慢性の炎症性疾患である.わが国の小児リウマチ診療の実情に合わせ,「全身発症型(systemic-onset JIA)」と「関節発症型関節炎(articular-onset JIA)」の二群に大別して,それぞれ病態・診断(臨床症状,検査所見,鑑別すべき疾患など)・初期治療および初期治療が奏効しない患児への対応(生物学的製剤の適応や使用上の注意点)について,整理すると有用だと思われる.
今回は,日本小児リウマチ学会で作成した種々の「診療の手引き」を基に,最近の知見も交えて,JIAの臨床と治療について概説する.