日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-011  ミクリッツ病とシェーグレン症候群の唾液腺組織における制御性T細胞の検討
南家 由紀小橋川 剛八子 徹小竹 茂
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2012 年 35 巻 4 号 p. 332a

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抄録
  背景:最近,自己免疫性疾患の病態には制御性T細胞(Treg)の関与が注目されている.ミクリッツ病におけるTregの報告は我々の知る限りない.シェーグレン症候群の唾液腺浸潤リンパ球は初期はT細胞優位,その後B細胞優位となっていく.浸潤T細胞についてはHLA-DR抗原,IL-2Rを発現している.一方,CD4+CD25+Foxp3の制御性T細胞は認められなかったと報告されている(Wang et al., 1997).
目的:ミクリッツ病とシェーグレン症候群との唾液腺組織における
Treg細胞に特異的なFoxp3の発現を検討する.
対象:シェーグレン症候群 5症例(39歳~65歳,全例 女性),ミクリッツ病 1例(56歳 女性)
方法:各々の唾液腺組織をFoxp3の免疫染色を行った.
結果:シェーグレン症候群では5例中3例にFoxp3が陽性であった.ミクリッツ病では顎下腺にFoxp3陽性細胞が検出された.
考察:これまでの報告と異なり一部のシェーグレン症候群ではTregが陽性であった.ミクリッツ病においてもTregが陽性であった.
結語:ミクリッツ病,一部のシェーグレン症候群において,その病態にTregの関与が示唆された.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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