日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-015  限局性強皮症皮膚線維芽細胞におけるc-Abl/PKCδ/Fli1経路の恒常的活性化の意義
野田 真史浅野 善英佐藤 伸一
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2012 年 35 巻 4 号 p. 334a

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抄録
  TGFβシグナルのSmad非依存性経路の一つであるc-Abl/PKCδ/Fli1経路は全身性強皮症皮膚線維芽細胞の恒常的活性化に強く関与している.今回我々はc-Abl/PKCδ/Fli1経路が限局性強皮症皮膚線維芽細胞の恒常的活性化に関与している可能性について検討した.全細胞溶解液を用いた免疫ブロットでは,c-AblとPKCδの発現量,およびc-AblとFli1のリン酸化は限局性強皮症皮膚線維芽細胞において正常皮膚線維芽細胞よりも亢進していた.一方,核抽出液におけるFli1の発現量とクロマチン免疫沈降法で評価したCOL1A2遺伝子プロモーター領域に結合するFli1はいずれも減少していた.また,PKC-dの細胞内局在について蛍光抗体法で検討したところ,限局性強皮症皮膚線維芽細胞ではPKCδはより核内に局在していた.以上の細胞実験の結果は皮膚組織を用いた免疫染色によりin vivoにおいても再現性を確認できた.さらに,RNA干渉によるc-Ablの遺伝子サイレンシングにより,限局性強皮症皮膚線維芽細胞では・型コラーゲン蛋白の発現量,COL1A2遺伝子のmRNAの発現量がいずれも減少したが,PDGFR阻害薬では同様の効果は見られなかった.以上より,c-Abl/PKCδ/Fli1経路の恒常的な活性化が限局性強皮症皮膚線維芽細胞の恒常的な活性化に寄与していることが示された.また,過去に報告されたメシル酸イマチニブの限局性強皮症の皮膚硬化に対する有効性はc-Abl/PKCδ/Fli1経路の抑制により発揮されている可能性が示唆された.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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