抄録
【目的】SLE患者血清中にはPCNA複合体を形成するタンパク群に対して様々な自己抗体が産生される事が報告されている.今回我々は,そのPCNA複合体タンパクの一つであるChromatine assembly factor-1(CAF-1)に注目して各種疾患特異的自己抗体陽性血清における抗CAF-1抗体を測定して臨床的解析を加えた.【方法】抗ds-DNA, SS-A, RNP,セントロメア,核小体,Jo-1抗体陽性の患者血清を用いたdirect ELISA法にて抗CAF-1抗体を測定すると共に臨床的解析を施行した.また,活動性SLE患者PBMCにおけるCAF-1の発現に関して定量的PCR法を用いて測定した.【結果】抗ds-DNA抗体陽性群の約10%に抗CAF-1抗体が認められ,他の血清では抗CAF-1抗体はほとんど認められなかった.抗CAF-1抗体陽性血清のほとんどは,疾患活動性の高いSLE患者由来であり,特に腎症が高率に認められた.また,SLE患者のPBMCにおいてCAF-1が高発現しているのが認められた.【結論】CAF-1はSLE患者のPBMCにおいて発現が亢進しており,抗CAF-1抗体は活動性が高いSLE患者に特異的にみとめられ特に腎症との相関が高いことよりSLEの診断および活動性の良い指標となり得ると考えられた.