日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
一般演題(ポスター)
P1-021  多発性硬化症におけるFingolimod投与の末梢血B細胞サブセットへの影響
中村 雅一松岡 貴子山口 広美三宅 幸子荒木 学岡本 智子林 幼偉小川 雅文村田 美穂荒浪 利昌山村 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 35 巻 4 号 p. 337a

詳細
抄録
【背景・目的】Fingolimodは多発性硬化症(MS)の再発抑制効果を有するが,視神経脊髄炎(NMO)では効果が疑問視されている.MS病態ではB細胞サブセットの中でもメモリーB細胞(mB)の重要性が示唆されており,我々はNMOにおけるプラズマブラスト(PB)の重要性を報告した.今回,同薬のB細胞サブセットへの影響を検討する.【方法】対象は2010年McDonald診断基準を満たすMS 6名.フローサイトメトリーにて末梢血単核細胞(PBMC)中のB細胞サブセット(ナイーブ,mB,PB)の割合とケモカイン受容体,HLA-DR,活性化マーカーCD38の発現率,PB分化マーカーCD138の平均蛍光強度(MFI)を投与前と2週間後で解析した.【結果】PBMC中のB細胞サブセットの割合は有意に低下した(p<0.05).mBではHLA-DRのMFI,CD38発現率が有意に低下し(p<0.05),活性化の低下と考えられた.PBではCD138陽性率が有意に増加し(p<0.05),同陽性群でのCXCR3発現率の増加傾向を認めた.【考察】MSではmBが末梢血から中枢神経系へ浸潤し,病態形成に関与することが示唆されている.Fingolimodにより末梢血mBの減少のみならず,残存mBの活性化低下が明らかとなり,再発抑制機構の一因と推測される.昨年我々は学会で,CD138陽性PBがNMO再発時にCXCR3依存性に中枢神経系へ浸潤することを報告した.Fingolimodによる同群の割合増加は,NMOでの無効に関連する可能性がある.
著者関連情報
© 2012 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top