抄録
【背景】CTLA4-IgであるABTは,抗原提示細胞上の共刺激分子と結合しT細胞活性化を障害する生物学的製剤である.本邦においても2010年からRAに対して使用可能となった.本研究では日本人RA患者50名を対象にABTの関節破壊抑制効果および臨床効果を評価した.
【方法】対象は既存の抗リウマチ薬を使用してもコントロール不良のRA患者でABT開始し24週経過した50例.主要評価項目は関節破壊の指標である関節X線所見modified total Sharp score(mTSS)の年間進行度(ΔTSS).副次評価項目は疾患活動性(SDAI/DAS28),日常機能評価(HAQ)および臨床検査値の変化.
【結果】患者背景:平均年齢62.0歳,平均罹病期間10.0年,bio naive 58.0%,メソトレキサート併用74.0%,ステロイド併用34.0%, SDAI 31.1, DAS28(ESR)5.8, mTSS 60.1, HAQ 1.5, CRP 2.1 mg/dl, ESR 53.1 mm/h, MMP-3 215.5 ng/ml
(1)主要評価項目:ΔTSSは7.1から1.8へ有意に減少.76.0%が構造的寛解(ΔTSS<0.5)を達成
(2)副次評価項目:継続率は80.0%, SDAI 14.5, DAS28(ESR)4.2, HAQ 1.3, CRP 0.9 mg/dl, ESR 43.0 mm/h, MMP-3 152.1 ng/mlと改善
(3)ΔTSSに影響する予測因子としてCRPが抽出され,0週のCRP<1.5 mg/dlの群では88%で構造的寛解を達成した.
【結語】ABTは本邦の日常診療においても良好な効果と安全性を持つことが示された.また,ABTは他の炎症性サイトカインを標的とした生物学的製剤に匹敵する関節破壊抑制効果を有すると考えられた.