日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-052  リツキシマブ療法を施行した難治性後天表皮水疱症の2症例
林 宏明笹岡 俊輔守田 吉孝藤本 亘
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2012 年 35 巻 4 号 p. 352b

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抄録
  後天性表皮水疱症は表皮基底膜部に存在する・型コラーゲンに対する自己抗体によって発症する自己免疫性表皮下水疱症で古典型(機械的水疱型)と炎症型に大別される.既存治療に抵抗した古典型後天性表皮水疱症の2症例に対してリツキシマブ療法(375 mg/m2/2週×4回)を施行した.症例1:60歳男性.症例2:70歳男性.2症例とも口腔内にびらん,手指,足,肘などの外的刺激を受ける部位に水疱,びらんを認めた.リツキシマブ療法を施行したところ,抗・型コラーゲン抗体価(ELISA)は経時的に減少し,症例1では67週後,106.3から20.0に,症例2では37週後の時点で125.4から26.5にまで低下したが,2症例とも臨床症状の改善は非常に緩徐であった.リツキシマブ療法後の血清中のAPRIL濃度は大きな増減はなかったものの,BAFF濃度は症例1で1050 pg/mLから1768 pg/mLに,症例2で1763 pg/mLが3622 pg/mLにまで増加していた.2症例とも抗体価の低下に比べて臨床症状の改善が乏しいのは,古典型後天性表皮水疱症においては低力価の抗体が・型コラーゲンに強い親和性をもち,・型コラーゲンの表皮真皮接着能の回復が長期にわたり阻害されるためと考察した.自己免疫性水疱症に対するB細胞除去療法の至適投与プロトコールの確立に向けて,自験例の病因抗体や各種バイオマーカーの推移,臨床経過は非常に貴重と考えられ,詳細に報告する.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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