抄録
【背景】Castleman病は原因不明のリンパ増殖性疾患であり,病理所見からhyaline vascular typeとplasma cell typeとに分類される.小児のCastleman病はまれであり,乳児期発症のplasma cell typeの報告例はこれまでにない.われわれは生後10か月で発症したplasma cell typeのCastleman病の一例を経験したので報告する.【症例】10か月女児.4日間続く発熱で近医を受診.両側頚部リンパ節腫脹,発疹を指摘され当院を紹介された.血液検査で左方移動を伴うWBC, CRPの高値,血沈亢進が認められた.当初,化膿性頸部リンパ節炎が疑われたが抗菌薬は無効であった.その後,不全型川崎病が疑われ,免疫グロブリン静注療法(2 g/kg)を3回受けたが,治療不応であった.HIV, HHV-8は陰性で,ウイルス性疾患は除外された.JIAやシェーグレンは臨床的に否定的であった.頚部リンパ節生検にて濾胞間にCD138陽性の形質細胞を認め,plasma cell typeのCastleman病と診断した.血中IL-6は軽度上昇していた.Gaシンチで両側頚部に強い集積を認め,unicentric Castleman病と診断した.抗好中球抗体陽性の好中球減少がみられた.プレドニゾロン2 mg/kg/dayにて治療を開始したところ,発熱,頚部リンパ節腫脹は改善し,炎症反応も正常化した.15日間使用後,ステロイドを漸減,中止した.【考察】本症例は乳幼児であるが,臨床症状と病理所見からCastleman病と診断した.既報告の低年齢児例を含め考察する.