日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-080  関節炎モデルにおいてIL-6はスフィンゴシン1-リン酸受容体タイプIIを誘導し,骨髄中の破骨細胞前駆細胞を増加する
橋詰 美里田中 圭介吉田 広人鈴木 美穂松本 義弘
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2012 年 35 巻 4 号 p. 366b

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抄録
  関節リウマチ(RA)の骨破壊には,全身性の慢性炎症が関与すると考えられている.破骨細胞前駆細胞(OCPs)に発現するスフィンゴシン1-リン酸受容体タイプII(S1PR2)は,スフィンゴシン1-リン酸の濃度勾配を介して骨髄から血中へのOCPsの移行を制御し,骨破壊に関与する分子である.S1PR2の発現と骨髄でのOCPsの増加に及ぼすIL-6の影響を関節炎モデルを用いて検討した.関節炎マウスにおいて大腿骨の骨量の減少が認められた.関節炎マウス骨髄中のOCPs(CD11b+Gr-1low+med)は正常マウスに比べて増加した.関節炎マウスOCPsにおけるS1PR2発現量は正常マウスに比べて高値だった.抗IL-6受容体抗体の投与は骨髄中のOCPsを減少し,OCPsにおけるS1PR2発現量を低下した.in vitroで骨髄由来OCPsをIL-6で刺激すると,OCPsはS1PR2発現量が増加し,スフィンゴシン1-リン酸への走化性が低下した.我々は初めて,IL-6がS1PR2の発現を誘導し,骨髄中のOCPsを増加させることを明らかにした.これまでにRAの骨破壊においてIL-6が滑膜細胞にRANKLを誘導しOCPsの分化を促進することを報告しているが,骨髄でのOCPsの増加にもIL-6が関与することが明らかとなった.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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