抄録
全身性エリテマトーデス(SLE)の病態形成においてType I Interferon(Type I INF)とそれを産生するplasmacytoid dendritic cell(pDC)の重要性が示唆されているが,現時点ではSLE患者でのpDCの活性化を示す直接的な証拠は示されていない.そこで,我々はマウスではpDCが血清中の大部分のsoluble lymphocyte activation gene 3(sLAG3)を産生することに注目し,SLE患者と関節リウマチ(RA)患者,健常人で血清sLAG3濃度をELISAで測定した.健常コントロールの血清sLAG3濃度を1としてRA, SLEと比較すると,RAでは1.33+/−0.77だが,SLEでは36.2+/−21.5と著明な上昇を認めた.また,SLE患者では血清sLAG3濃度はSLEDAIとの相関も認め,多変量解析において特に血球障害との関連が示唆された.さらに,SLE患者の血清sLAG3濃度は末梢血単核球のType I INF signatureとの相関も認めた.以上より,SLE患者における血清sLAG3濃度は,Type I INF signatureを反映するSLEの新たな疾患活動性のマーカーとなる可能性が示唆された.