日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-087  全身性エリテマトーデス患者血清における可溶性LAG3濃度上昇の検討
瀬理 祐石垣 和慶岩崎 由希子澁谷 美穂子庄田 宏文住友 秀次岡本 明子岡村 僚久藤尾 圭志山本 一彦
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2012 年 35 巻 4 号 p. 370a

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抄録
  全身性エリテマトーデス(SLE)の病態形成においてType I Interferon(Type I INF)とそれを産生するplasmacytoid dendritic cell(pDC)の重要性が示唆されているが,現時点ではSLE患者でのpDCの活性化を示す直接的な証拠は示されていない.そこで,我々はマウスではpDCが血清中の大部分のsoluble lymphocyte activation gene 3(sLAG3)を産生することに注目し,SLE患者と関節リウマチ(RA)患者,健常人で血清sLAG3濃度をELISAで測定した.健常コントロールの血清sLAG3濃度を1としてRA, SLEと比較すると,RAでは1.33+/−0.77だが,SLEでは36.2+/−21.5と著明な上昇を認めた.また,SLE患者では血清sLAG3濃度はSLEDAIとの相関も認め,多変量解析において特に血球障害との関連が示唆された.さらに,SLE患者の血清sLAG3濃度は末梢血単核球のType I INF signatureとの相関も認めた.以上より,SLE患者における血清sLAG3濃度は,Type I INF signatureを反映するSLEの新たな疾患活動性のマーカーとなる可能性が示唆された.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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