日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-099  MRIにて骨びらんを認め,その病勢評価に関節エコーが有用であった難治性の成人スチル病(ASD)の1例
片嶋 有希石津 桃古川 哲也藤田 計行佐藤 ちえり斎藤 篤史西岡 亜紀関口 昌弘東 直人北野 将康角田 慎一郎松井 聖佐野 統
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2012 年 35 巻 4 号 p. 376a

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抄録
【症例】54歳女性.2009年4月に多関節痛と紅斑を主訴に受診.39度超の弛張熱とリンパ節腫脹を呈し,血液検査では肝機能異常を認めフェリチンが上昇.さらに,IL-18を中心とした高サイトカイン血症が有りASDと診断.パルス療法を含むステロイド加療を開始したが,反応不良で血球貪食症候群も併発し,cyclosporin(CyA)追加投与にてようやく軽快を得た.しかし,ステロイド漸減の過程で,関節痛と発熱が再燃した為,低用量のmethotrexate (MTX)の併用も実施したが,MTX投与にて逆に病勢は悪化し,高容量のステロイドとCyAを減量する事が出来ない状態が続いた.そこで,血清中IL-18を指標として治療を開始したところ,症状・血液検査所見共に著明に改善し,CyAやステロイドの減量も可能となった.また増悪時のMRIと関節エコーにて骨びらんを認め,関節エコーでは,治療前に認めた罹患関節滑膜の肥厚や異常血流シグナルの著明な改善が確認された.【考察】MRIと関節エコーにて骨びらんを認めたASDの1例を経験した.そしてその関節病変の活動性尺度として関節エコーが有用であった.本症例は,治療前後での関節エコー上の変化を指摘し得た貴重な1例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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