日本臨床免疫学会会誌
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総説
抗RANKLモノクローナル抗体製剤デノスマブの開発とその薬理学的作用
高見 正道
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2013 年 36 巻 3 号 p. 162-169

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抄録
  骨吸収抑制剤デノスマブ(Denosumab)は,破骨細胞の分化誘導因子であるRANKL(receptor activator of NF-κB ligand)を標的とした完全ヒト型モノクローナル抗体製剤である.米国Amgen社が最先端の遺伝子工学技術を駆使して本剤を開発し,わが国ではランマーク(RANMARK)という商品名で多発性骨髄腫や固形癌骨転移に伴う骨病変の治療に使用されている.また,骨粗鬆症や関節リウマチ,骨パジェット病患者に対しても骨吸収抑制効果を示すことから,使用範囲は今後さらに拡大すると予想される.デノスマブは生体内での半減期が長く,半年に1度の皮下投与で十分な骨吸収抑制効果が得られる.これは,従来使われてきたビスホスホネート製剤よりも強力であることを意味するが,重度の腎機能障害患者では低カルシウム血症引き起こすこともある.デノスマブは,RANKL分子特有のループ構造に結合し,受容体であるRANKとの相互作用を阻害する.また,放射能標識したデノスマブを用いた生体内での追跡実験結果から,皮下投与したデノスマブが血液を介してリンパ節や脾臓のRANKLに結合することが示唆されている.このように,本剤は強力な骨吸収抑制作用と,これまでにない作用機序をもつことから,医師および研究者の注目を集めている.
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© 2013 日本臨床免疫学会
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