日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-04  全身性エリテマトーデスにおける樹状細胞-T細胞-B細胞軸の異常による病態形成
久保 智史中山田 真吾湯之上 直樹好川 真以子Wang Sheau-Pey田中 良哉
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2013 年 36 巻 5 号 p. 368b

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抄録
【目的】SLEでは樹状細胞(DC),T細胞,B細胞の分化異常が知られるが,各細胞の相互作用と病態への関与は不明である.
【方法】健常人,SLE患者26名から採取した末梢血を8 color flow cytometryを用いて,T細胞,B細胞,DCの免疫系細胞の細分類を試み,各サブセット間および患者背景,治療反応性との相関を検討した.
【結果】SLEではIgM memory B細胞の割合が減少し,effector B細胞とplasmablastの割合が増加した.T細胞ではeffector phaseのT細胞が増加した.一方,plasmacytoid DCの割合に変化を認めず,myeloid DCの割合が減少した.SLEでは健常人には認められないCD11cCD123の新たなDC subsetが著増していた.このsubsetはeffector memory T細胞,effector B細胞,plasmablastの割合と相関し,疾患活動性との有意な相関を認めた.
【結語】SLEでは健常人には存在しない特異的なDC subsetが存在し,effector T細胞やeffector B細胞やplasmablastへの分化の偏重を介して病態形成への寄与が示唆された.
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© 2013 日本臨床免疫学会
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