北日本病害虫研究会報
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登熟期の玄米吸汁がアカヒゲホソミドリカスミカメの卵休眠性に及ぼす影響
橋本 庸三
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2013 年 2013 巻 64 号 p. 140-142

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抄録

野外から採集し玄米吸汁の経験のないアカヒゲホソミドリカスミカメの3 齢幼虫,5 齢幼虫および成虫を割れ籾が発生するポット栽培イネに約1 ヶ月間放飼して,玄米吸汁が産下された卵の休眠性に及ぼす影響を検討した.試験は北海道において2012年8月29日から9月28日にかけて,休眠卵を産下する気象条件下で行ったが,3 齢幼虫放飼区では休眠卵率が34.6%となり,5 齢幼虫放飼区(85.0%)あるいは成虫放飼区(80.1%)に比べて有意に低かった.この結果から,餌条件が卵の休眠性に影響を及ぼし,休眠卵産下の気象条件下にあっても,3 齢幼虫期からの玄米吸汁が非休眠卵を誘起したことが推察された.

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© 2013 北日本病害虫研究会
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