日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
一般演題(ポスター)
P2-01  関節リウマチ患者と健常者におけるB細胞のRANKL発現の比較検討
廣崎 友里新納 宏昭大田 俊一郎植木 尚子綾野 雅宏赤星 光輝有信 洋二郎塚本 浩堀内 孝彦赤司 浩一
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 36 巻 5 号 p. 373a

詳細
抄録
 近年,関節リウマチの病態におけるB細胞の役割として,抗体やサイトカインの産生,T細胞との相互作用に加え,直接的な破骨細胞の分化,活性化を介した骨破壊が示唆されている.RANKL(Receptor Activator NF-κB Ligand)-RANKシステムは破骨細胞の分化,活性化に重要である.今回我々は関節リウマチ患者および健常者の末梢血B細胞を用いて,リアルタイムPCR法およびフローサイトメトリー法でRANKL発現誘導の相違およびTRAP染色での破骨細胞誘導効果の検討を行った.末梢血B細胞のRANKL発現は活性化により誘導され,B細胞サブセット(naiveB細胞(CD19+IgD+CD27−),IgD陽性B細胞(CD19+IgD+CD27+),switched-memory B細胞(CD19+IgD−CD27+))での比較において,BCR/CD40で刺激したSwitched-memory B細胞が有意にRANKLを発現していた.更にTRAP染色を用いて破骨細胞誘導効果を検討しswitched-memory B細胞の破骨細胞誘導効果が最も高いことが示された.また関節リウマチ患者では活性化Switched-memory B細胞のRANKL発現が健常者に比べ有意に高いことが示され,関節リウマチの骨破壊の一因となっている可能性が示唆された.
著者関連情報
© 2013 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top