日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P6-03  修飾自己抗原テトラマーを用いた特異的B細胞除去による関節炎モデルマウスの治療
道下 和也川畑 仁人神崎 健仁赤平 理紗江里 俊樹山本 一彦
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2013 年 36 巻 5 号 p. 399a

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抄録
 背景関節リウマチにおいてB細胞除去の臨床的効果は周知であるが,B型肝炎の再活性化や結核の再燃化など問題点も多い.病原特異的なB細胞の除去により種々の問題は解決されると考え,ペプチドテトラマーを用いた薬剤を関節炎発症モデルマウスに投与することで臨床効果を検討した.方法DBA1Jマウスに2型コラーゲン(C2)の免疫を行い,関節炎を発症させた.ペプチドはC2のC1 epitope (CIAC),C1 epitopeをシトルリン化したもの(CIA1)を使用し,それぞれ毒性を有するテトラマーを調整した(以後CIACtet,CIA1tetと表記).対照として,細胞毒性を有さないCIA1によるテトラマー(Str-tet),抗CD20抗体,抗CD79β抗体,PBSを用い,初回投与からブースト直前まで2回に分けて投与して,ブースト後の評価を行った.結果CIA1tet投与群ではCIA1に対する抗体発症を制御し,抗原特異的なB細胞の除去が示された.またCIA1tet,抗CD20抗体と抗CD79抗体投与群では関節炎の発症の遅れが示された.考察・結論修飾自己抗原テトラマーは抗原特異的B細胞の除去とともに関節炎の発症を抑制した.一部のマウスでは関節炎が発症したが,他の抗原epitopeが発症に関与していたためと考えられた.
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© 2013 日本臨床免疫学会
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