日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P7-01  ステロイド抵抗性の筋炎におけるγグロブリン大量点滴静注療法の有効性の検討
吉岡 拓也高桑 由希子内田 晶子品川 尚志大慈彌 久絵石森 加奈村上 義彦大岡 正道山田 秀裕尾崎 承一
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2013 年 36 巻 5 号 p. 403b

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抄録
 背景:難治性の皮膚筋炎(DM),多発性筋炎(PM)に対し,γグロブリン大量点滴静注療法(IVIG)が有効であることが報告されているが,しばしば再燃することが知られている.目的:ステロイド治療抵抗性の筋炎に対してIVIGを施行した17例について,再燃と関連する因子を見出すことを目的とした.IVIG治療後にCKが低下し,再上昇のない場合を寛解,CKの再上昇を認めた場合を再燃と定義した.結果:17例の平均年齢55.1歳,平均罹病期間25.8ヶ月,IVIG治療前の平均CK 555 IU/L,IVIG治療1ヶ月後の平均CK 273 IU/Lであった.17例中,IVIGの寛解例が12例(DM6例,PM6例),再燃例が5例(DM1例,PM4例)であり,再燃例は全例IVIG治療後12箇月以内に再燃を認めた.寛解例は,12例中,9例が診断時に心筋逸脱酵素の上昇を認め,7例は治療後低下(2例は治療後未検).再燃例は,5例中4例が診断時に心筋逸脱酵素上昇を認め,治療後も心筋逸脱酵素の上昇が有意に高頻度に残存していた(p<0.05).結語:再燃例は,PMが多く,心筋逸脱酵素が低下しない症例が有意に多かった.IVIGの無効因子として,心筋逸脱酵素の持続高値は有用である可能性が示唆された.
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© 2013 日本臨床免疫学会
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