日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
一般演題(ポスター)
P7-02  神経・筋疾患における免疫グロブリン療法の副作用に関する検討
岡本 智子村田 美穂山村 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 36 巻 5 号 p. 404a

詳細
抄録
【目的】神経・筋疾患における免疫グロブリン療法(IVIG)の副作用に関して検討する.【方法】2008年1月1日~2012年8月31日の間で当院にてIVIGを施行した患者の臨床的背景,副作用出現患者の副作用内容とその後の臨床経過について後方視的に検討した.【結果】IVIG施行患者は計86人(男40人,女46人),疾患は慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー37人,多巣性運動ニューロパチー4人,筋疾患18人,多発性硬化症18人,視神経脊髄炎5人,その他4人だった.副作用は20人(23%)に出現しており,副作用症状は皮膚症状10人,発熱8人,頭痛7人,白血球減少3人,下腿静脈血栓症1人,徐脈2人,気分不快1人,息苦しさ1人だった.IVIG初回投与で副作用が出現した患者は16人,2回目以降の投与で新たな副作用が出現した患者は7人だった.1人は比較的新しい心筋梗塞を合併しており,IVIG後徐脈,気分不快といった副作用が出現した.副作用のため投与中IVIGを中止した患者は4人,IVIG投与量減量または対症療法を加えて再開,継続している患者は12人だった.【結論】IVIGで23%の患者で副作用が出現した.徐脈などの副作用はモニタリングしないと判明しない可能性があり注意が必要である.また副作用が出現した患者でも,IVIG投与量,投与間隔の調整と対症療法の併用などで投与が継続でき良好な治療効果が得られる場合がある.
著者関連情報
© 2013 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top