日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P8-02  当科におけるループス腸炎の臨床的検討
丸山 暁人長嶋 孝夫石澤 彩子室崎 貴勝本根 杏子釜田 康行永谷 勝也吉尾 卓岡崎 仁昭岩本 雅弘簑田 清次
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2013 年 36 巻 5 号 p. 409a

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抄録

【目的】当科におけるSLE患者のループス腸炎合併例の臨床的検討を行った.【方法】2001年1月~2012年12月までに入院したSLE患者431例中,ループス腸炎と診断した16例(3.7%)(再発含め延べ22例)を対象とした.ループス腸炎の診断は,画像で腸管壁の肥厚を認め,副腎皮質ステロイドによる治療を要した症例とした.【結果】ループス腸炎発症時の年齢(35歳,18~66歳)(中央値,範囲),SLE発症からループス腸炎発症までの期間(5年,0~19年),臨床症状は腹痛が19/22例,下痢が17/22例,悪心・嘔吐が16/22例であった.白血球減少 0/22例;血小板減少 1/22例;貧血 2/22例;低補体血症 15/22例;抗ds-DNA抗体上昇 15/22例,抗SS-A抗体陽性 11/16例,抗RNP抗体陽性 5/16例,CRP(0.81 mg/dl,0.01~17.5 mg/dl),SLEDAI(8.5,0~23)であった.腸管浮腫の部位は小腸+大腸が最も多く17/22例.腹水 18/22例,水腎症 7/22例を認めた.治療は15/22例にステロイドパルス療法が併用され,免疫抑制薬の併用は3例であった.再発は5/16例に認めた.【結論】当科におけるループス腸炎の特徴は,抗SS-A抗体陽性例が多く,血球異常はほとんど認めず,治療経過は良好であった.

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© 2013 日本臨床免疫学会
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