抄録
巨細胞動脈炎は高齢者に発症するANCA陰性の動脈炎で大動脈炎症候群との異同が議論になっている.今回,側頭動脈炎を起こした2症例の検討を行ったので報告する.【症例1】70歳,女性【主訴】頭痛【現病歴】2011年10月初旬再び頭痛と両側側頭部に腫瘤状のものを触知したため12日に当院総合内科を受診,19日に精査目的で当科紹介となった.両側側頭部に側頭動脈に沿って腫瘤状で3 cmにわたり触知し圧痛を認めた.【検査所見】CRP 2.3 mg/ml ESR 49 mm/hと炎症所見は認めたがMPO-ANCA陰性,PR3-ANCA陰性であった.右側頭動脈生検を行った.その結果,血管炎と多核巨細胞を認め側頭動脈炎と診断した.【臨床経過】生検の結果を待っている11月下旬には投薬なしでCRPは陰性化し頭痛も軽快した.【症例2】78歳,女性【主訴】頭痛【現病歴】シェーグレン症候群で経過観察中,側頭動脈に腫瘤を触れるようになり,頭痛を訴えるようになった.【検査所見】CRP 6.5 mg/ml ESR 103 mm/hと炎症所見は認めたがMPO-ANCA陰性,PR3-ANCA陰性であった.右側頭動脈生検を行った.その結果,血管炎と多核巨細胞を認め側頭動脈炎と診断した.【臨床経過】プレドニゾロン(PSL)20 mg/日で軽快し,CRPは陰性化し頭痛も軽快した.【考察】症例1は生検後自然軽快した.症例2はPSLで軽快し減量中である.2症例とも高齢者発症であり,自然軽快または低容量のプレドニゾロンで軽快した動脈炎であった.